悪とは何か?

弱さから生じるすべてのものである。

〜ニーチェ〜

 

 

 

 

 

前回の続きです。

 

 

子供だけでなく、大人でさえも、

「褒められる」という「正の注目」を得られないとわかると、

「叱られる」という「負の注目」を集めようとします。

 

 

そして、更にこれには続きがあるということでしたね。

 

 

大人になっても起こる負の連鎖がどういうものなのか?

お伝えしていきます。

 

 

 

 

精神科医である「ルドルフ・ドライカース」は、この一連の連鎖のことを

 

不適切な行動の4つの目標

 

と言っています。

 

1、注目を集める

2、力を示す

3、復讐

4、回避(逃避)

 

 

具体的にみていきましょう。

 

 

子供の場合、

(1、注目を集める)

親に構って欲しい小さい子供は、親が自分以外の子供や兄弟に構うことを辞めさせようとしたり、自分が眠りにつくまで側にしてもらおうと要求します。

 

 

(2、力を示す)

その要求が叶わないと、子供は癇癪を起こしたり、泣きわめいたりダダをこねます。力ずくで注目を集めようとします。

 

 

(3、復讐)

それさえも親が強い力で抑え込むと、子供は傷つけられたと感じ、親に復讐しようと試みます。

問題行動を起こすことで親に不快感を与えようとします。

 

 

(4、回避(逃避))

それもまた叶わなければ、やがて子供は諦めて何も努力しなくなります。

そして最後には、自分は無能である、価値がない、欠陥がある、と大人に見せつけて、それを言い訳にして人生の様々な課題から逃げるようになります。

 

 

 

 

「だって子供だから・・・」

と思うかもしれませんが、大人の場合もこれと同じです。

 

 

 

 

 

 

例えば、恋愛関係。

交際をしているあるカップルがいたとします。

 

彼女は彼氏と一緒にいたい、デートをしたいと思い、連絡をとってデートに誘います。

 

男性が仕事ばかりでなかなかデートをしてくれないと、「どうして私と一緒にいる時間を作ってくれないの?「仕事と私どっちが大事なの?」「私のこと好きじゃないんじゃないの?」と、次第に感情むき出しの連絡をします。

 

それでもダメだと、彼女は彼氏に復讐を試みて、他の男性と一緒にいることを伝えてみたり、遊び歩いたりします。

 

そして最後には、諦めて自分の魅力のなさや弱さに落ち込み、その落ち込んでいる様子や病気を彼氏のせいにします。

 

いわゆるメンヘラの誕生ですね。

 

 

 

 

 

 

 

仕事も一緒です。

ある上司と部下がいるとします。

 

なかなか自分の仕事を評価してくれない上司に対して、最初はもっと評価をしてくれるようにアピールします。

 

それでもなかなか評価してくれないと、「どうして評価してくれないのか!?」「自分のことを全然見てくれない」と感情的になります。

 

それでもダメだと、上司に復讐を試みて、わざと仕事をミスして上司を困らせたり、自分の必要性を見せようとします。

 

そして最後には、これも諦めて自分の能力の低さ、価値の低さに落ち込み、完全に自分の仕事を放棄したり、どんどん落ち込んで病気になったりして、それを上司のせいにします。

 

 

 

 

 

これらは親子関係、友人関係、恋愛関係、仕事関係に全てに言えることです。

 

注目を浴びたい、評価して欲しいという強い承認欲求が満たされないことでグレてしまう(=「負の注目を集めようとする」)んですね。

 

子供や学生ならまだ何とかなるかもしれませんが、社会人になってグレても人生の幸せは何一つとして手に入りません。

 

 

 

 

満たされないからといって、「負の注目」を集めようとするのではなく、少しでもいいので「正の注目」を集めることに力を注ぎましょう。

 

「1、注目を集める」がうまくいかなった時に、

 

グレるだけのエネルギーがあるのなら、まずは疑問を持ちましょう。

 

 

 

「どうしてうまくいかなかったのか?」

 

「どうして彼氏は自分との時間を作ってくれないのか?」

 

「どうして自分の仕事は評価されないのか?」

 

 

 

怒れるだけのエネルギーがあるなら、まずは疑問を持ち、それを改善するにはどうしたらいいのか?相手の立場になって考えるとどうなのか?というように考えを巡らしてみましょう。

 

そっちの方がよっぽど建設的で健全ですからね。

 

 

 

うまくいかないことがあれば、感情的になる前に、まずは疑問を持つ。

 

 

これだけでも十分、負の連鎖は断ち切れると思います。

 

 

 

年齢だけを重ねた子供は、いつまで経ってもデカい子供のままなんだぜ。