ぴこ物語
小学六年生のときのなかよしに、
ぴこ(仮)というやつがいる。
互いの初恋事情から
成績、弱点まで、
あらゆる情報を公開しあい、
休み時間にはケイドロに興じ、
走る気がしない日には
ただしゃべりたおし、
一緒に窓際で将棋をさしたりした。
ぐみに将棋のルールを
教えてくれたのはぴこだった。
ぐみは頭を使う遊びはてんで弱いが、
目玉が飛び出るほどのハンデを
喜んで背負って、
「ふふふこんなにハンデつけてやったけど
やっぱり俺が勝ったな」
という状況を毎度楽しんでいた。
ぐみもそれで楽しかった。
「磯野、野球しようぜ」
と同じノリで
互いに「将棋さそうぜ」
と言い合う仲だった。
お前飛車角落ちな!の図。
ぴこは女子がたいそう苦手な少年だったが、
ぐみには女子要素が皆無だったために
おそらくこんなにも仲良くなれたのだ思う。
ぴこはこの後、中学受験をして、
中高一貫の男子校へと進学していった。
それがまずかったのか。
彼の女子に対する苦手意識は
男子校時代を経て甚大に膨れ上がった。
高校卒業後、浪人となり予備校に通った彼は
女子とろくに目を合わせることも
ままならず、
男女が共の教室にいるという環境に
勉強も手につかないという
恐ろしい状態に陥ったという。
それでもその後無事に大学へ行き、卒業し、
彼は地方公務員になった。
今は部署が変わったが、
去年までぴこは
税金未納者の家財道具や預金を
差し押さえる、という仕事をしていた。
賢いボーイであるぴこのこと、
仕事はさらりと無難にこなしていたはずである。
しかし、
思わぬ弊害があった。
それが女性である。
女性に対して強く出ることができない体質であるぴこは、
差し押さえ先の奥さんに対して、
どうしても毅然として接することができないのである。
「いやいやいやいやすみません、
カタチだけ、ほんのカタチだけ・・
差し押さえさせていただきますのでぇぇ・・・!」
(もみ手つき)
たまに友人が集まって飲んでいると、
ぴこはいつも自分を嘆いていた。
弱いくせに飲み倒しては前後不覚となり、
西鉄バスの床で眠ってしまうぴこ。
自宅エレベーターでオナラをした時に限って
後から親子連れが乗ってきて焦るぴこ。
「俺が今やってる仕事、事業仕分けの対象なんだ・・・!」
「わかってる、わかってるんだ、そもそもプロジェクトがはじまるとき、なんなのこれ意味あんのって全員が思ってるんだよ。だけどそのための準備をしろって言われて実際に書類を作ったり企画をかためたりする仕事は俺らみたいなポジションの役人なわけで、上司に言われるままそんなしょうもない仕事に時間を費やして毎日毎日がんばっているうちにだんだんとその仕事に愛着が湧いてきちゃうわけよ。それをよ、それをいきなり、全部無駄だ要らないって言われたらお前どうする?小山お前ならどうよ?!つい言っちゃうだろぉお~、いや!これは必要な事業です!!ってとっさに言っちゃうだろぉぉぉぉぉおお?言うよそりゃ、要らないって認めることはすなわち自分を否定するってことなんだぜ?!」
がんばれぴこ・・・
でも諦めて素直に仕分けられてくれ。
強くなれ。無責任を承知で言うが、
認めることこそ強さだぞ。
そんな私の大事な友達、ぴこ・・・、
実は現在すでに同居中の奥様と、
12月に結婚式をあげます!!
知らないうちに、女子と目を合わせられないという
弱点を克服していた・・・!ぴこのくせにっ!(笑)
この調子なら、仕分けの件もじきに受け入れられるに違いない。
福岡市長選挙も終わり、
これからまた市政も仕事も変わっていくだろうが、
ぴこと奥さんの愛はいつまでも変わらずに、
末永~く幸せでありますように!
小学時代の友達の結婚って、
他の友達の結婚とは感慨がひと味違う。
なんでこんなにテンションあがるんだろ!?
ぴこ祝福記事でした!!









