穏やかな日々を過ごす為、愛してくれる人を選ぶ。

そのまま一生傍に居られたら良いなと。

暖かい家庭に憧れ、自分の居場所を求めて来てやっと見つけた。







求められたから。







それが間違っていた事を、何年も経って思い知らされる。








ううん。

勿論愛される事も幸せではあるんだと思う。

けれど、アタシはちゃんと向き合っていなかった。

一度躓いただけで、楽な道を選ぼうとした。








優しくて誠実で真面目で。

裏切られないような相手で。

ちゃんと一生過ごせるような。







・・・・・・・・・・愛してないのに。







一緒に暮らし、穏やかに時は流れ。

結局その思いは相手を傷つける事になる。








その相手の愛はとても重くアタシにのしかかり。

やっぱり自分が駄目な人間だと思い知らされていく。

対等でなく、アタシはやっぱり下なのだ。

アタシが対等になろうとすろと不機嫌になる。

支配されていく。

そして、沢山求められる事が増えていく。






もう、そんなのは嫌だ。

アタシは逃げ出した。

相手に悪気がある訳でもないのに、

向かい合う前に逃げ出してしまった。







裏切り、相手を苦しめ。

その愛を試す。

残酷な程に愛をむさぼり尽くそうとし。

相手の心を壊していく。






成長しきれてなかったアタシが本当に罪を犯してしまった。

些細なすれ違いから他の相手を求め、結果的に穏やかな日々を失う。

傷つく事を恐れ、人を傷つける事で補おうとしてしまった。

苦しみを相手にも与える事で逃れてしまおうとしてしまった。








今度こそ許されない。

責めの言葉も甘んじて受けよう。

逃げる事しか出来なかった、弱いアタシなのだから。

やっぱりアタシは駄目なのだと。









罪を背負ったままのアタシ。

どうせ駄目ならとことん堕ちてしまおう。










アタシはもう駄目なんだな。

諦めてしまおう、何もかも。

そんな風に開き直ってしまった時。

あの人がアタシの前に現れた。








人を傷つけた人間が幸せになんてなれないじゃない?

そんな言葉を笑い飛ばし、いつか一緒に幸せになろうとアタシに微笑み。

閉ざした心に入り込んできた。