大丈夫だよ。

悪くないよ。

戻っておいで。






救いの手がアタシの目の前に現れて。

逃れきれないと思っていた呪縛を断ち切る決意をし。

アタシは涙を止めた。





本当は罪なんてどこにもなくて。

アタシが逆らったのが許せなかった人達がそう言いくるめただけで。

それでもアタシは好きだと言う気持ちが強かったから

罪を背負おうとしただけで。






初めての恋に一途になっていたアタシは、

耳を塞ぎ、目を閉じて、ただ信じようとしてただけ。

本当にそこに愛があるのだと。








本当はそんなものどこにもなかったのにね。








都合が悪くなって、切り捨てられた現実を受け止めようとしなかった。

真実はそんなお粗末なものだった。








けれどそれを自分で受け止めて。

前を向いて歩くきっかけを与えてくれた。

そんな人が現れた。






その人は恋ではなかったけれど。

とても、とても、大切で。

アタシの持つ全ての愛を注ぎ込んだ。

ある意味では恩人。

もう二度と会う事はない、けれど大切な親友。










その人と過ごすうちに回復していったアタシは、

次の恋を見つける事になる。