愛なんて

結局最後は失うもの。




いや、違う。

本当の愛は永遠だもの。






自分の中でごちゃまぜになった、相反する感情。








初めて人を愛した時。

幼かったアタシはまるで雛鳥のように相手を求め。

その相手が自分の中で絶対的な存在だった。

逆らう事すら罪悪に感じられる程に。






周りに求められるがまま、強い自分で脆さを隠し。

泣き言を飲み込んでいた自分の素顔を見抜かれて。

丸裸の心を鷲掴みにされたアタシにとって、その人が全てになった。









貴女は一人じゃ何も出来ないんだから。

その言葉を最初にアタシに言った人。








その人の言うがままに生き。

アタシの命はその人の為にあるのだと信じて疑わず。

その恋が終わった時、その代償にアタシは心を失った。












だって、永遠に手の届かない所へ行ってしまったから。











言葉を口から発する事を拒み、

食事も喉を通らず、

人との接触を断絶し。

そのまま消え去る事を望んでいた。







毎日血を流し、涙を流し。

言われるがままに何も考えずに生きる日々。

『死ぬ事は許さない。でも、逆らう事も許さない。』

そんな言葉に囚われて、アタシの心は朽ち果てていく。








一生許さない。

あんたが死ねば良かったんだ。

そんな罵倒が繰り返される。

一生かけても償い切れないよと。











ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

誰かアタシを許してください。









小さな子供になったアタシが泣く。

真っ暗闇で何も見えない場所で一人で。

その泣き声は誰にも届かない。








本当に悪いと思っているなら、生活位は普通にして。

一生後悔しながら生きていくの。








言葉通りに日常生活に戻り、失った言葉を発し。

日々ゆっくりと自分を壊しながら生きていく。

一日がとても長く感じ。

いつ、楽になれるだろうとそればかりを考えながら

元通りの生活に溶け込んでいく。

確実にそれまでのアタシと違うのに。

それを隠しながら生きていく。













けれど、そんな日々からもアタシは救われる。