彼とラブラブデートの途中に届いたメール。
携帯開いて内容を見て、放心状態に陥った。
『あの人』からのメール。
延々と続く放置プレイ。
ただ大人しく待つだけのオンナ。
いつ届くかもわからない連絡を待ち、会えるかどうかもわからない相手を信じて。
そんなダメダメな恋愛の末路に完全に別れる事を選んだ。
その相手からの突然のメール。
もう連絡しないね。
そう言ってアタシは終わらせた。
あの人もそれを受け入れた。
それでも連絡を取ってきたのは、本当にこれが最後になると思ったからだろう。
あの人は今度こそ遠くに行ってしまう。
もう戻ってこないと言う。
今まで日本に戻ってくる度にあたしの元へ来たけれど、
次はもうないだろうと。
完全に海外の仕事に切り替え、向こうで国籍を取り暮すだろうと。
・・・・・・・・・・・・・・関係無い。
もう知るもんか。あんな人。
今のアタシには大切な人が居る。
だからあの人に揺らがされる事はない。
気まぐれに振り回されるつもりもない。
ちゃんと愛され、そして愛している人がいるのだから。
傍にいた彼にあの人からのメールを見せ、
暫し考えた後に返事を送る。
『一生傍に居たい人が出来たから、もうやり直すつもりはありません』
『友人としては会えるけど、もう今までのような関係になるつもりもないです』
そして、あの人から返事が届く。
『君の幸せを祈ってます』
・・・・・・・終わった。
もう、知らない。
知らないんだってば。
その後、何事も無かったかのようにデートを続け、
映画を観てカラオケへ。
普段に比べて酒を飲むペースが早くなる。
何かから逃げるように酒を飲む。
知らない。関係無い。もういやだ。
助けて助けて助けて。
メールの文章が、過去の記憶が、
ふとした拍子に蘇る。
それから逃れる為に酒を飲み、今の幸せに逃げ込む。
でも、それで気持ちがおさまらず。
結局帰り際に駄々をこねて、次の日の仕事がある彼を引き止めて
アタシは壊れた。
遠い過去にアタシはあの人に約束をした。
『ずっと待っているよ』
それは結局果たされはしなくて。
そしてあの人もアタシに約束をした。
『ずっと傍にいるよ』
それも叶えられる事はなく。
アタシはホントは彼を恨んでた。
悲しくて、悲しくて、悲しくて。
その気持ちに蓋をする為に、綺麗な思い出に変えようとした。
約束を守れなかった自分の不実さも嘆いた。
一生をかけて愛すると告げた相手を裏切った重みを苦しんだ。
アタシはその程度の人間なのだと。
いつも真剣に愛しているつもりなのに、
それでも結局心変わりしてしまうじゃないか。
それはアタシ自身が恋愛に対して不誠実なのではないかと、
そう考えていた。
相手の心の中で責めつつ、そして自分自身にも嫌気がさしていた。