予想外に面白くて、見終わった後も余韻が残ります。
いやあ、あのラストはショウゲキだったなあ。
本当に予想外でした。
感想は、ネタバレを含みますので苦手な方はスルーしてくださいませ。
日本占領下の上海。裕福そうな夫人たちと麻雀をするマイ夫人。そこへイー夫人の夫が帰ってくる。
イー夫人の夫と意味深な視線を交わすマイ夫人は急用が出来たと伝える。
その数日後、マイ夫人は英国人の経営するカフエにいた。
そして四年前に思いを馳せる。
マイ夫人こと本名ワン・チアチーは四年前、香港の大学生だった。親友のライと共に演劇部に入部。抗日運動家のクァンに思いを寄せながら、その影響を受け、思想も傾倒していく。
ある日クァンの提案で親日家のイーの殺害を企てる。
それは彼らにとって正義の行動だった。
この時のタン・ウェイのまだあどけなさの残る顔がいいです。化粧っ気が全くないんだよね。
そして、スパイとしてイーに近づくんだけど、まだ慣れてないせいか化粧の仕方が今ひとつ。
それが徐々に上手くなり、イーと二人きりになる頃には美しい大人の女へとなっていく。この経過が素晴らしかったです。
大人へと進化していくワン・チアチーとは対照的にいつまでたっても正義の味方ごっこが抜けない演劇部の仲間。
海岸で銃撃の練習をしてもビンが二本割れるだけ。レジスタンスのハズなのに仲間の親のお金で広い家を借り、ダンスを楽しむ。
スパイの腕を発揮し、イーの愛人の手前まで近づいたチアチーは仲間に選択を委ねる。
このまま愛人となり、さらに近づくのか。
チアチーと同じくライに思いを寄せるライは、「やり方を知っている?」と聞く。
覚悟を決めたチアチーは、仲間内で唯一経験のあるという男と身体を重ねる。
ここはねえ・・・。うーん。無理。無理。
どう見えても子供だましにしか見えないレジスタンスなんだ。
そこでここまでするのか、なんて、バランスのチグハグさに反ってドキドキしてしまった。
でも彼女達は真剣だったんだよね。
その時は何事も気づかないもんなんだよね・・・。
だが、そこまでした準備も空しく、イーは上海へ帰ってしまう。
そして、イーへのツテとなるハズだった男に、全てを明かされてしまう。
その男に脅され、彼らは男を殺してしまう。
ここまでは、レミゼを思い出してしまいました。
学生達は真剣に世の中をよくしようと考えて決起したわけなんだけど、失敗に終わり、周囲にには子供のお遊びのように思われてしまう。
でも、その歯がゆさ故に、胸が詰まるんだよね。
そして四年後。上海。チーチウは再びイーに近づく。
あの子供じみた夏の後、チーチウは上海の親戚の家に身を寄せていた。
父の家を売却させられ、学生としての貧しい暮らし。たまに観る映画だけが拠所。
そんなチーチーウにかつて思いを寄せていたクァンが現れる。
イーに近づけるのは君しかいない、と。
そして、チーチウは再び、イーに近づいたのだ。
ここの見せ方はさすがね。
あんな暮らしをしていて、突然現れた昔の思い人にときめかない筈はないし、仲間達との高揚感も忘れられないはず。そういうのをタン・ウェイが静かに演じているのだ。
化粧っ気の無い顔から、妖艶な大人の顔へ。
チーチウはイーに近づくことに成功。
イーは激しくチーチウを求め、チーチーウは任務のためにそれを受け入れる。
ココからがすごいんだ。もうソフトマゾの世界。
なんであんなことされて、イーへと思いが傾いていくのかよくわかんない。
男性諸君。誤解してはならんよ。あんなことしたら犯罪です。そっから先に愛は生まれません。
けどけど、この辺、まさしくBLの世界。
チーチウを美少年設定にすれば、オーソドックスなBL設定。
ありがち。
アン・リー監督、本当は日本のオタク文化好きでしょ?
グリーン・ディスティニーの頃から思っていたんだ。
日本の漫画とか好きでしょ?って。
今回の映画設定は、やおいネタではよくあるんだ。
1900年半ばの日本占領下の上海。
スパイの目的で要人に近づくもの。
激しいアレから始まり、激しくすることが愛だと勘違い。
うん、多い設定だ。ありがち。
そしてラスト。
ショウゲキだあ。
まさかのまさかの、イー まさかの お○カ設定。
本当に知らなかったの?
ありえません。
香港での出会いから気づくでしょ?
ふつう。
てっきり全てを知っていて、その上でチーチウに「逃げて」と言わせたんだと思っていた。
自身のことを口にしない二人の駆け引きなんだと思っていた。
それがなんと純粋だったイー。
本当に何も信じない男だったのか?というくらい、チーチウを愛していたんだね。
本当にびっくりした。
でもそう考えると涙目のトニーが愛おしくて愛おしくて・・・。
車に飛び乗る場面も衝撃的だったけど、このラストは凄いと思いました。