溝口健二監督作品。


やっと念願のスクリーン鑑賞。

圧巻でした。


小学校に入りたての頃、NHKで見た「安寿と厨子王」の人形劇に魅かれ、両親に絵本が欲しいとねだりました。

うちの両親は何を勘違いしたか、小学校一年生の私に「山椒大夫」を買って来たのです。

ハードカバーで、一ページ二段の構成のそれは、ほとんど漢字で構成されていました。

私が、両親に買ってもらった人生最初の小説でした。

もちろん読みましたよ。幸運なことに、漢字には全て読み仮名が振ってありましたから。

その頃から長い間、私の好きな本は「山椒大夫」でした。


映画の存在は、いつともなく知っていたという感じでした。

溝口健二作品として意識したのは、邦画を手当たり次第に見るようになってから。

以前に見てから、今回の鑑賞までには、かなりの年数が経ちました。

年を重ねるごとに、溝口作品の偉大さが感じられるようになりました。


女優・香川京子の美しさ、田中絹代の圧巻ともいえる演技。

もっとも、無駄な知識がついて、田中絹代の口元を意識してしまうのは・・・。


構図、構成も意識するごとに、現代に通じる新しさが感じられる。


ただ、最近、「PIPPIN」という舞台を観たばかりということあって、「政治 」というか「まつりごと」について、山椒大夫を通じて再び考えさせられた。

身分をなくせばいいのか。自由に解き放てばいいのか。人が人としての概念を持ち続けるとは何と難しいことか。