病室にて

生まれて初めての抗がん剤の投与が始まると、やたら髪の毛が気になる。
すぐ抜けるはずはないが、自分では気になって仕方がない。今思うとテレビドラマの見過ぎだったかな。

看護師さんに聞くと、ベッドの向こうから３週間ぐらいかなと１０代後半の青年が答えた。
彼は、ｔ高校出身（私学で有名）で、夜な夜なベットで小説をパソコンでカチャカチャ音を立てて作っているこ人で、同室の私にとっては迷惑な人でした。
毎日、昼夜お母さんが食事を持ってきてくれる。父親との会話は、難しい話ばかり。時々、わがままいっているのがわかる。
でも、子を持つ同じ親としては、子供が白血病だったら、自分の命を差し出してもこの子を救ってあげたい気持ちになるだろうなと思ったら、彼の行動も許せる。

ここは、4人部屋で、入口入って左で室内トイレの近いところ。
点滴引きずってトイレに行ったりすることで、ベットの右が点滴がベットから降りてすぐトイレに行けるな。頭の中で勝手にトイレに行く段取りをしていた。

高校時代の友人から久々の電話があった。病気に気づかれたかなと思いながら電話に出た。
「ゴン、久しぶりに今度食事しようぜ」突然の食事の誘い。「俺今、入院して危ないんだ」
「え・・」　「なんか予感がした」ホントかよと言いながら久々の笑顔で話している自分がいた。

　病状は芳しくなく、RBCが低下しており、生まれて初めて輸血した。
大学は体育系大学でフィギアスケートのA田の先輩です。
この大学に献血車がよく来て献血をし、就職しても保健センターに献血車がきて率先して献血をし、通算70回以上の献血をしてきました。日赤からも表彰を受けました。
今、輸血をした自分は、献血した人に感謝する気持ちでいっぱいでした。
過去に献血してってよかったとほんとに思いました。


今日はここまで・・・