久しぶりの投稿になります。
BBブリッジの番場です。
BBブリッジでは、10月31日(月)午後に㈱糖鎖工学研究所と共同でバイオ医薬品と糖鎖修飾・糖鎖解析をテーマとしたセミナーを開催します。
「バイオ医薬品開発の最新動向と糖鎖修飾・糖鎖解析」
~拡大するバイオ医薬品の方向性と糖鎖修飾・解析の最新動向~
バイオ医薬品、特に抗体医薬品の開発や製造において糖鎖修飾・糖鎖解析は非常に重要な開発項目です。糖鎖とはグルコース・ガラクトース・マンノースなど各種の糖がグリコシド結合で鎖状になったものの総称です。バイオ医薬品において糖鎖は2つのポイントで利用されています。
1つはバイオ医薬品の糖鎖の状況を調べることによる製造における品質管理です。バイオ医薬品の表面の糖鎖の構造が、当該バイオ医薬品の体内動態に影響を与えることが知られています。例えばマンノースを含む糖鎖を多く持つ抗体は、血中のマクロファージ等の表面に存在するマンノースレセプターに結合することで血中からのクリアランスが早くなると言われています。
糖鎖の状況が体内動態に影響を及ぼすということは、最終的にバイオ医薬品の品質(有効性・安全性)に影響を与える可能性があるということです。
これに対応するため、現在の糖タンパクを用いたバイオ医薬品においては糖鎖解析による品質管理は必須です。実際に2016年春に改定された「第十七改正日本薬局方」における一般試験法では、「2.64 糖鎖試験法」が新たに追加されました。この中で糖鎖の分析方法としては、①液体クロマトグラフィー、②キャピラリー電気泳動、③質量分析 の3つを推奨しています。
バイオシミラーの開発に注目が集まる中で、同等性担保のための糖鎖解析も非常に重要な検討項目です。
糖鎖のもう1つの利用方法は、糖鎖が体内動態に影響を及ぼすことを利用したバイオ医薬品の機能向上です。抗体などのバイオ医薬品の糖鎖を修飾・改変することで、当該バイオ医薬品の機能性を向上できることが広く知られています。
実際に糖鎖改変を応用した技術として協和発酵キリン㈱のPOTELLIGENT ® (ポテリジェント)技術があります。ポテリジェント技術は、抗体のFc部位に結合しているフコースを除去することで、ADCC活性(Antibody-Dependent-Cellular-Cytotoxicity:抗体依存性細胞傷害)を飛躍的に向上させるというものです。ポテリジェント技術は実際に同社の開発品であるポテリジオ(成人T細胞白血病リンパ腫を対象とした抗CCR4抗体)に利用されています。また、Roche/GenentechもCD20を標的とした抗体医薬品リツキサンの後継として、糖鎖改変を行ったGazyvaを2014年に慢性リンパ性白血病を対象に上市しています(日本では中外製薬/日本新薬によって開発中)。
バイオ医薬品の糖鎖の修飾・改変を行うことで、標的指向性や活性向上など様々な機能性を付与することが可能になります。
このようにバイオ医薬品における糖鎖修飾・糖鎖解析は非常に重要な要素になっています。セミナーは無料ですのでご興味がございましたら是非ご参加ください。