BBブリッジの番場です。久しぶりの更新になりました。
皆さまは今、東京 日本橋でライフサイエンス産業の集積が進められていることをご存知でしょうか。
これは三井不動産が主体となり、ライフサイエンス関連企業の集積地を日本橋に作ろうという試みです。三井グループの創業の地は日本橋であり(三井越後屋呉服店)、三井不動産は日本橋において「日本橋再生計画」を策定、最近ではコレド日本橋などをオープンさせています。
さらに日本橋には商業施設だけではなく、製薬企業の本社や東京以外に本社がある製薬企業の東京支社が集まっています。三井不動産ではこの状況を活かし、今後大きく伸びると期待されているライフサイエンス関連の企業を集積させることで、日本橋の地に新しい産業を生み出そうとしています。なお、日本橋ライフサイエンスプロジェクトの詳細については、以下のサイトに概要が記載されています。
https://www.nihonbashi-lifescience.jp/
通常、ライフサイエンス産業の集積というと研究所のクラスター化が行われるケースが多く、日本では神戸や彩都(大阪)、横浜や川崎殿町地区などが有名です。一方、この日本橋ライフサイエンスプロジェクトの特徴として、研究所ではなく本社(事務局)や東京支社などを誘致していることがあります。東京の中心である日本橋の地の利を活かし、人材交流や企業や研究機関が連携した新規プロジェクトなどが生まれることを第一の目的としています。
このためにライフサイエンス系ベンチャーやアカデミア・各種団体専用の入居施設(日本橋ライフサイエンスビル=旧アステラス製薬本社ビル)が用意されており、既にこの拠点にはクオンタムバイオなどのバイオベンチャーや、製薬協やFIRM(再生医療イノベーションフォーラム)などが入居しています。
さらに国際会議や人材交流などの拠点として日本橋ライフサイエンスハブ(コレド室町3)も整備されています。
私も先日 日本橋ライフサイエンスハブで開催された「第3回 日本橋ライフサイエンス シンポジウム」に参加してきました。このシンポジウムでは日本橋MIS実行委員長である鈴木 寛氏(現 文部科学大臣補佐官)や大手製薬企業の技術導入側の講演、大学在学中の学生が立ち上げたベンチャーによるプレゼン、懇親会などがあり大変有意義なものでした。特に日本のライフサイエンス系ベンチャーは欧米に比べて絶対数が少ないですが、現役の学生が積極的にビジネスを立ち上げようとしている姿に感銘を受けました。
また、先月にはこの日本橋地区において産官学連携によるライフサイエンス領域でのオープン・イノベーションを促進し、新産業創造を支援することを目的とした一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(東京都中央区、理事長 岡野栄之 慶應義塾大学医学部長 / 略称「LINK-J」)が設立されています(LINK-Jの概要は以下のHPをご確認ください)。
http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2016/0603/
LINK-Jの事務局長である曽山 明彦氏に話を聞いたところ、「この日本橋ライフサイエンスプロジェクトが本格始動したのは昨年5月からで、今年6月に設立されたLINK-Jの活動や日本橋進出に興味を持つ企業やアカデミアを随時募集している」とのことですので、ご興味がある方は一度日本橋を訪問してみては如何でしょうか。
