アレキ 「さあ、ここんとこ立て続けに色んな興行が行われたけども、まずはUFC-227から行こうか。メインでディラショーがガーブランドを破ったわけだけど兄貴のディラショーの評価ってどんな感じなの」

ヒョードル 「一見変わった、無駄な動きをしているようだけど実は一つ一つの技に物凄く合理性を持たせているという印象です。フェイントを出して相手がカウンターを放ったらそれに対してカウンターするという、相手の二手先、三手先を読んだ高度なテクニックを使ってるよ。だから今回のガーブランドや前王者のヘナン・バラオンのような強打を放つ選手は、自分がカウンターを取ったと思ったら逆に打たちゃったから混乱してしまうだろうね。ディラショーからしたら相性が良かったね。逆に苦手なのはポイントゲームをしてくる相手だね。過去の負け試合を見ると相手があまり前に出て来ずに守りを固められると焦りを隠せないでいるんだよ。まぁそれでも微々たる弱点で素晴らしい選手ですよ。

他にはスワンソンに勝ったモイカーノか。新しいのがどんどん出てくるねぇ。ただ尊敬の念なのか何か知らないけど敗者に長々と語るのはウゼエな(笑)。ほっといてやれよって。逆に負けたのに勝者をやけに称える奴もウゼエけどな、アントニオ・シウバとか藤田和之とか。んー、他はセフードvsDJな。すごかった、うん。ムニョスvsジョンズは意外と差のついた試合だった。UFCはそんなもんかな。あとRIZINは堀口と扇久保の試合だけ良かったくらいかな」

アレキ 「今回はMXで観たパンクラスにも触れたいんだろ?」

ヒョードル 「八田亮ファンだから俺(笑)。試合後のコメントで素手でやりたいとか言って、お前どんだけ俺のハートを掴むんだと。これをグラップラーが言うのがいいんだよね。

ルールに制限がないほどグラップラーには不利っていう印象を持たれがちだけど、俺はそうは思わないんだよね。勝率に関しての話ね、危険性は上がるけどな。前に川尻がクロン・グレイシーの顔を踏み付けようとして逆に捕まって極められた試合あったじゃん。ああいうのが見たいんだよね~。実現して欲しいね。

あと華DATEとかいう奴に勝ったローマ・ルックブンミーとかいう女子、強いね。スタンドは言うまでもないし首相撲からの崩しも良かったけど、マウント取った時の落ち着き様な、あれはMMA向きのストライカーだと思った。以上」

アレキ 「またねー」
アレキ 「さあUFC-224の感想から行こうか。ジャカレイがガステラムにスプリットで負けたんだが」

ヒョードル 「こういう試合で負けるのがまたジャカレイらしいなと。ただ2Rで見せタックルからの打撃というテクニックを見せたけど、あれはもっと目にして良いはずのテクニックなんだよ、特にグラップラーは。MMA始まって20年以上なのにあれを出来るグラップラーが少ないんだよな。ファブリシオ・ヴェウドムなんかもたまにやるんだよ、彼の場合は首相撲に持ち込むのが多いんだけど。

あとミドルとハイの中間的なキックをちょこちょこ出したけど、あれをもっと出さないとダメだよ。以前ライアン・ホールがグレイ・メイナードにやった時にも触れたけどさ、相手はテイクダウンされまいと前傾姿勢になってるんだから、バンバン蹴って嫌がらせて上体を起こさせないといけないんだよ。そうすることでタックルも取りやすくなるから。

結局はね、グラップラーは自分のグラップリング能力を打撃に生かさなきゃいけないってことなんですよ。ヴェウドムなんか打撃でヤバくなった時はすぐ寝るでしょ。それも一種のスタンド能力なのよ。そういった発想がグラップラーには必要で、それが出来るグラップラーがMMAでトップクラスに立てるんですよ。ヴェウドムにしろジャカレイにしろ。」

アレキ 「リョートに負けたビクトーが引退したな」

ヒョードル 「19歳のデビュー戦から見てる立場としては、振り返ってみると紆余曲折あるMMA人生だったなと。精神的な脆さは年齢を重ねるにつれて多少マシになったけど、最後までキックには弱かったな。でもサウスポーのパンチャーの中では最高のセンスの持ち主だった。同じサウスポーでも今回ジャカレイに勝ったケビン・ガステラムとかディアス兄弟、コナー・マクレガーにしてもとにかくワンツーを打ち続けるって感じでいまいちセンスを感じないというか、逆に言うとサウスポーでワンツーが打てればそこそこ行けることも分かったけど、ビクトーのパンチは彼らと一枚違う、天才と呼ぶにふさわしく美しいフォームだったね。先に述べたように私がサウスポーに厳しくなりがちなのはビクトーのパンチと比較してしまっていたからなんですよ。約20年の現役生活、お疲れさまでしただな。」

アレキ 「他の試合はどうだった?」

ヒョードル 「アレクセイ・オレイニクのエゼキエルチョークは凄いね。あれは相当力が無いとノーギではなかなか極まらないけどあれで何試合も勝ってるから凄いよ。ペドロ・ムニョスのギロチンチョークにしてもそうだけど、ああいう一芸に秀でた選手は嫌いじゃないよ。トップクラスに食い込むのは難しいけどな。」

アレキ 「RIZIN-10は?」

ヒョードル 「堀口とマッコールの試合はストップが早いかどうか議論になってたけど、個人的には早いと思いましたね。その手の話になるとストップ肯定派はよく“危険だから”っていう意見をするけど、危険だからという理屈ならカウンターの打撃が禁止にならないとおかしいんだよ。特にタックルに合わせた膝とかな。それに比べると追い打ちのパウンド一発くらいは見ても構わないと思うね。あと堀口の立ち技トーナメント参戦表明は良いんじゃないの。現状ではMMAだと相手がいないもんね。以上!」

アレキ 「またね~」
アレキ 「さぁ、早速大晦日のRIZINの感想から行こうか」

ヒョードル 「RENAが負けたことに尽きるでしょ。負けた瞬間ざまぁって結構な人が思っただろうけど、あれはRIZINの演出に対するざまぁなんだよ。近年のうんざりするほどのRENA押しが反動になったって訳だな。まぁRENAも調子こいてた感もあったけどな。

次にそうなるのは天心でしょ。あんなキックでたいした実績もないメンバーの、優勝ありきのトーナメントで大騒ぎすんなって話ですよ。本人から“こんなぬるい試合組むな”くらいのコメントがあれば評価するんだがね。

堀口に関しては素晴らしかったとしか言いようがなかったけど、彼はセルフプロデュースが下手だよな。キャラが見えない分、運営側もどうやって押せばいいか分からない感じが伝わって来る。

あと高坂は勝つ気ないなら辞めてもらいたいよね。もう銭ゲバにしか見えないよ。五味にしてもあの取られ方はないなー。

で、また恒例の高田のアホなコメントに付き合わされる藤井恵と川尻に同情しながら、長い入場シーンに辟易しながら、低レベルの試合も観ながらって感じで結局最後まで観ちゃったんだけども、結局はリングの大きさなのよ。最高レベルの選手が集まってるUFCよりも、低レベルだろうが選手同士の接点が生まれやすいRIZINのリングの方がショーとして適してるって事ですよ。私はUFCのオクタゴンが広すぎるってのは前から言ってるから。UFCはもったいない事してると常々思ってますよ」

アレキ 「そのUFCでヌルマゴメドフがパルポーザを完封した試合は凄かったわけだが」

ヒョードル 「だからそれは話の続きになっちゃうけど結局ヌルマゴが距離を詰められるから面白かったんだよ。しかしいいねぇ、もう言う事ないねヌルマゴは。スタミナすげえしケチ付けるところがねえもん。コナー・マクレガーもボコボコにしてもらいたいね。以上!」

アレキ 「あけおめ~」