Vol.56 “American High Style” Exhibition
American High Style
アメリカン・ハイスタイル展
前に紹介したメトロポリタン美術館のAmerican Women 展 と連動したエキジション
“American High Style "がブルックリン美術館で8月1日まで開催されています。
入り口に展示されたのは、特に米国ファッションの礎になった代表的なデザイナーの服です。右上のゴールド・オーガンジーの大きなボウがついたブラウスとシルク・ジャージーのパンツはノーマン・ノエル、赤いシルクタフタのストラップレス・ドレスはチャールズ・ジェイムス、左下のピンクのドレスはボニー・カシン、黒ストライプのドレスはフレデリック・ワース(世界で最初のクチュール・デザイナー)です。どれも現代女性の服の歴史を語る時に欠かせないデザイナーです。
会場には85のドレスと靴、ジュエリーなどの小物が展示されています。メトロポリタン美術館のようにお金をかけて展示会場の雰囲気まで作り上げるというのではありませんが、シンプルな展示方法がかえってドレスの美しさをひきたてています。
米国のファッションはヨーロッパ・ファッションの影響を大きく受けています。特にフレンチ・デザイナーのドレスの顧客は1870年代から米国女性が主だったのです。ですので、この展示はフレンチ・デザイナーのドレスの展示から始まっています。
黒レースのバレンシアガのドレスや、ディオールの赤いドレス、マダム・グレのドレープを生かした彫刻的なドレスなどは今でも着たくなるようなエレガンスを漂わせています。
興味深いのはドレスを着たアンティークのファッション人形たちです。フランス宮廷がフランスのファッションをヨーロッパ中に広めるためにファッション人形を制作しました。
これらの人形は南北戦争後に米国にも渡りました。写真の人形は1892年頃のものです。顧客たちに最新のファッションを提示するファッションモデルの役割を担っていたのでしょう。
なんだか、集めてみたくなりますね。でも今では1体、100万円くらいするそうです。バービードールなどに抱いていたファッションへの憧れが蘇ってきて、しばし見とれてしまいました。
私が大好きなクレア・マッカーデルの服がありました。
好きといってももちろん着たことはないのですが、米国のファッション史に欠かせないデザイナーで、スポーツウエア(シンプルな組み合わせの服)の母とも言われた人です。彼女のシンプルなカッティングはとてもモダンで、着心地がよさそうです。本当に着てみたいと今でも思っています。
米国女性のエレガンスを表現した代表的デザイナーはアーノルド・スカッシーでしょう。
シルクサテンの赤と黒の水玉のドレスにドレスと同じ布が裏打ちされている赤いコート。本当にこれも着てみたい! 彼は多くのファーストレディの服をデザインしました。ジャクリーン・ケネディやバーバラ・ブッシュのドレスもたくさんデザインし、彼女たちを米国を代表するエレガントな女性に仕立て上げました。
“American High Style” このエキジビションを見ているとエレガンスを忘れていけないなあーとつくづく思うのですが、スエットを着ながらこの原稿を書いているのではいつになったらエレガンスが身に着くのやら・・・・・・







