Vol.44 Exhibition / American Woman
Exhibition / American Woman
アメリカン・ウーマン展
メトロポリタン美術館の衣装研究所が毎年行うファッション展は、ファッション界だけでなく、アート、テレビ、ハリウッドなど様々な分野に影響を与えています。
今年のエキジビションは”American Woman: Fashioning a National Identity” と題して、1890年から1940年代までのファッションがどのように現代の女性に影響を与えたかという視点で展示しています。
展示会場は7つに分かれています。
1. 1890年代: Heiress(女相続人)の華麗なボールガウンドレス。上流階級のライフスタイルが垣間見られます。
2. 1890年代:Gibson Girl ゴルフ、水泳、乗馬、テニス、サイクリング、スケートなど女性たちがスポーツを始めた時代。四季を背景にスポーティなスタイルを展示しています。
3. 1900年代初期:Bohemian. 芸術家たちが活躍し彼らのアートがファッションに影響を与えた時代。ティファニーランプやティファニーグラスを背景に細身のロングドレスにカフタンやデコラティブな靴を展示しています。
4. 1910年代:Suffragist and Patriot(婦人参政権論者と愛国者)。第一次大戦前のミリタリールックとスローガンを展示しています。
5. 1920年代:Flappers 女性たちの解放と自由がファッショに影響を与えた時代。ランバンやパトゥなどのシミューズドレスを20年代に建てられた摩天楼を背景に展示しています。
6. 1930年代: Screen Siren(美女) ファッションアイコンだった女優たちが着こなしたグラマラスなドレス。マレーネ・デートリッヒ、キャサリーン・ヘップバーン、リタ・ヘイワーズ、キャロル・ロンバートなどの映画クリップも上映しています。
7. American Women:1980年代から2010年までのアメリカ女性200人のフォト・コラージュ
期間は5月3日から8月15日まで。ニューヨークへいらっしゃる機会があれば、是非、訪れてみてください。展示のオーディオ案内はサラ・ジェシカ・パーカーが務めています。
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で見ることができます。
またオープニングパーティには、デザイナー、女優などのセレブリティが750人も参加しました。前に何度かこのパーティを取材したことがあり、その模様を私の小説「私をみつけて」では、次のように描きました。
「毛皮を着た何組ものカップルが、リムジンから降りて美術館に入っていく。パーティの序曲を奏でるかのように、私の心臓が鼓動している。ドキドキという音を聞きながら、私は大階段を登っていった。"宮殿“の中に入ると、目の前に広がったのは4階分もありそうな高い天井と広々としたロビーだ。そのロビーの中央と柱の周り、壁際など、いたる所にカサブランカをメインにした白い生花が生けられていて、人々を歓迎している。今宵のゲストはこの"宮殿”で一晩だけでも華麗なる舞台の主演女優のような気分を味わうことができるのだ」(「私をみつけて」より)
この小説では、パーティは冬でしたので、ゲストは毛皮のコートも着ていますが、5月に行われたパーティではコートなしで素晴らしいドレスを着たゲストが、メトロポリタン美術館の大階段を登りました。私のようにセレブたちもドキドキしたのでしょうか。そして、今回のパーティでは、広いロビーに大きな気球が飾られました。
アメリカ女性の上昇志向を象徴したかのようです。







