Vol41.Home Concert | 伊藤操のブログ

Vol41.Home Concert

Home Concert
ホーム・コンサート


ニューヨークでは様々なホーム・パーティがありますが、私の友人のShining Sungシャイニング・ソングという美しい名前の女性が開くホーム・パーティは素晴らしい音楽家が演奏してくれる、ホーム・コンサート・パーティです。


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シャイニングさんは台湾のプライベートミュージアム Chi Mei Museum の為にニューヨークをベースに様々なアーティストの作品を買い付けたり、アート市場の最新情報を送ったりしています。ですので、彼女の家はたくさんのアートが飾られていますし、様々なアーティストと交流があります。


偶然にもブログでも以前紹介した、一目で気にいり購入した薔薇の花を描いた画家入江一子さんや、 東京でこれも一目惚れして、“SevenSeas”という雑誌に紹介した日本画家の福井江太郎さんのニューヨークの個展などでもシャイニングさんは協力をしていたのです。
そんな偶然もありシャイニングさんとはすぐに仲良くなりました。そして、彼女が開くホーム・コンサートに招待されたのです。


最初に参加したコンサートではピアニストのサンドロ・ルソさんが演奏しました。彼のすごいテクニックに圧倒されました。



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彼は日本でも公演したことがあり、日本でファンクラブが出来ています。そのファンクラブが作成したウエブサイト(www.sandrorussopianist.com ) では彼の演奏も聞くことができますので、是非アクセスしてください。

ニューヨークにはこのような高い水準の技術を持ったピアニストがいるのかと感動しました。
2回目のコンサートはサンドロさんのピアノ演奏と彼のピアノに合わせて、イボンヌ・チャンさんが美しいソプラノで「蝶々夫人」を歌ってくれました。



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彼女はイタリアでオペラを学び、イタリア人と結婚、子育てをしていたので、しばらく舞台から離れていましたが、今は教会で歌っています。
3回目に参加したホーム・コンサートでは“ピアニスター・ヒロシ”という日本人ピアニストの演奏です。彼もすごい演奏技術を持っていますが、それだけでなく、ユーモアに富んだ話や、いろいろな曲をミックスした意外性のある演奏でパーティに参加した50人ほどのニューヨーカーに多いに受けていました。



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ヒロシさんのレパートリーの広さを実証したのが、パーティならではのこんな演奏です。
お客の名前を聞いてその名前の頭文字でお客からリクエストをとり、演奏するのです。この日はJOANさんの頭文字から4曲を披露してくれました。Jの曲は忘れてしまいましたが、Oはオーソレミヨ、Aはアベマリア、Nはニューヨーク・ニューヨークでした。


こんな風にヒロシさんはお客を喜ばせる技を持ったエンターティナーです。彼のコンサート“UENOの森のHIROSHI2010”が、7月7日(水)に東京文化会館ホールで行われます。ゲストは池田理代子さんです。きっと機知に富んだ素晴らしい演奏となることでしょう。
この日はもう一人若い音楽家が素晴らしいバイオリンを披露してくれました。



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16歳の台湾のペイ・ウェン・リアオさんです。彼女も日本で演奏したこともあり、その才能を買われてオーストリアでの活動に誘われましたが、まだ若いので、ジュリアードで勉強をしながら、音楽活動をしています。ペイさんとヒロシさんの絶妙のアンサンブルは圧巻でした。
素晴らしい演奏だけでなく、このホーム・コンサートでは、演奏の前にはおいしい前菜や食事、演奏後はデザートまで用意されています。



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なぜ、シャイニングさんはこのようなコンサートを定期的に開くのでしょうか。
「私は音楽が大好きですし、友達といい音楽と、おいしい食事、楽しい会話を楽しむのが好きなのです。そして若い音楽家に演奏の機会を提供できるのは光栄なことです。彼らのコンサートの前のリハーサルとしても活用してくれればうれしいです」



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若いアーティストを支援したいというシャイニングさんのような人がいるので、ニューヨークは、アートの層が厚いのですね。