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起業した「難病東大生」内藤佐和子さん(26)  朝日新聞 

 

(徳島市長選 新人の内藤佐和子氏(36)が現職を破って初当選 4月6日)

 

 20歳の時だった。脳や脊髄の神経を包むサヤが壊れていく難病の多発性硬化症と告げられた。弁護士になりたくて、東大文学部から再受験して法学部に入ったばかり。「なんで私なの」。悔しくて泣いた。
 症状や進行は個人差が大きい。足しぴれる、視野が狭まる、突然脱力する。そんな症状が出るたびに2週間ほどステロイドの点滴をして抑えてきた。
 一方で、在学中から携帯サイトの運営にかかわり、2008年には学生のビジネスコンテストで優勝。昨年は「難病東大生」を出版した。故郷の徳島県を活性化するアイデアを学生から募集するコンテストを企画し、知事に直談判して実現させた。
 IT系の起業家(38)と結婚もした。「行動力も人脈もあるのに、自分の病気を治すために何もしていないね」と夫に言われ、ハッと気づいた。「どうせ治らない」と自分は病気から逃げている。
 会社を設立。大学を出た今春からは、広告収入の一部を難病治療の研究に寄付する検索サイトの立ち上げに力を入れている。
 ストレスは禁物なのに、仕事に追われて睡眠が満足にとれないことがある。「 今やらなくて、いつやれるんだ、という気持ちが強くて」。午前3時までカラオケで騒ぐことも。
 「病気だからできない、という思い込みの壁を壊し、難病のイメージを変えたい」。自分の中にも壁がある。でも、あきらめない。