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高齢者施設で虐待最多300件、14年度35%増、認知症患者など、家族や親族は1万5000件。


2016/02/06 日本経済新聞 



 厚生労働省は5日、2014年度に特別養護老人ホームなどの介護施設で発覚した職員による高齢者への虐待は300件だったと発表した。前年度より35・7%増加し、調査を始めた06年度以降で最多となった。虐待への問題意識が高まり、表面化するケースが増えたとみられる。同省は「職員の研修や職場環境の改善を進める必要がある」としている。
 調査は高齢者虐待防止法に基づき、全都道府県と全市町村が相談や通報を受けて把握した件数をまとめた。家族・親族による虐待と合わせた総数は1万6039件(同0・5%増)だった。
 施設職員による虐待の被害者は613人で、認知症の高齢者が474人と77・3%を占めた。
 虐待の種類別の被害者数(複数回答)は、殴る蹴るなどの「身体的虐待」が最も多く441人(71・9%)。暴言を吐くなどの「心理的虐待」は298人(48・6%)、おむつを替えないなどの「介護放棄」は59人(9・6%)だった。
 虐待の要因(複数回答)は、認知症への理解不足といった「教育・知識・介護技術などに関する問題」が62・6%、「職員のストレスや感情コントロールの問題」が20・4%を占めた。厚労省の担当者は「知識不足とストレスが合わさって虐待に至ってしまうケースが多いようだ」としている。
 300件のうち4件が起きた4つの施設については、以前にも虐待があったとして自治体が原因究明や再発防止を求めて行政指導していた。
 家族や親族による虐待は1万5739件(前年度比0・1%増)。被害者は1万6156人で、認知症の高齢者が半数近くを占めた。加害者は息子が40・3%で最も多く、夫の19・6%が続いた。身体的虐待が66・9%、心理的虐待が42・1%で、要因としては介護疲れやストレスが目立った。
 施設での虐待を巡っては、14年に老人ホームの入所者が相次いで転落死した介護事業大手のメッセージ(岡山市)の系列施設で、職員による虐待があったことが明らかになった。
 厚労省の担当者は「指導的立場にある職員向けの研修、自治体での相談窓口設置などの対策を地道に続けていく必要がある」としている。