「何という事だ!私たちは統合する方向へ進んでいたのではないのか?」大いなる存在が驚いていると、「地球人」が冷めた様な目つきで「あぁ、統合?確かにそんなブームが起きましたね。でもね、結局私たちの主張と価値観がぶつかり合ってね。みんな自分の意見を通そうとするから、収拾がつかなくなったんですよ。で、統合やめときましょうか?って話になってご覧の通り、見事分離しました。えぇ。」「あれほど、ワンネスと騒いでいたじゃないか?統合こそあるべき姿だと……」大いなる存在は自分の強大な力を持ってしても統合は遠い夢だと思い知らされた。しかし、そんな中で「統合」を諦めない「地球人」が居た。「今はこうして分離しちゃって、僕たちは一人一人違う天界に居る。人と人が交流するのはいい事ばかりじゃないからね。すべての人と分かり合えて、友好関係を築けるといいけれど、どうやっても分かり合えない、話が噛み合わなくて、通じない人たちも少なからず居る。そういう人たちに時間を割くのって、はっきり言ってただの消耗戦だからね。どこかでスパッと見切りをつけないと。傷つけ合ってダメージだけが大きくなる。僕とあの人の天は遠く離れてる。僕は一生懸命コミュニケーションを取ろうと、近付いて話しかけようとしてるんだけど、向こうはその気がないらしい。僕を一方的に敵認定して、邪魔者扱い。近づくなオーラ全開だよ。でもね、違う天の人とは本当に上手くコミュニケーションが取れて、最短25センチまで接近できた。これだけでも大収穫だよ。本当にもどかしいよ。こんなに天と天が離れてたんじゃそら寒いだけだよ。僕たちの源(ソース)はね、元々一つだったんだ。だけど、一つじゃ自分しか愛せない。もっと愛を分かち合いたかったんだ。わざわざ分離したのはそれが理由だったんだ。本当にそれだけだったのに……個と個が覇権争いするためじゃなかったのに……」

「天は一つ。大きな塊。源(ソース)は塊のままだと自己愛しか満たせない。そこで、分かつ愛を選んだ。自分以外も愛せる様に。でも、個性がそれを邪魔して、いがみ合う敵対関係に変化した。歪んだ愛は統合を選ばず、分離を選んだ。一人一人が違う天界に鎮座する事を選んだ。こんなはずじゃなかったのに。僕は君と話がしたいよ。もっと、天と天の距離を縮めてそのまま繋ぎ止めていたいよ。バラバラな天を一ヶ所に繋ぐ。それが天繋ぎだから。」今日もあなたに幸あれ。続く。