「フフッ、どうやら気が付いてしまった様ですね?流石です。あなたは人一倍勘が鋭い。持ち前の洞察力でこの世界の真実に辿り着いてしまった。ですが、少し余計でしたね。そのまま黙って眠りこけていればこちらとしてもこんな事をしなくて済んだんですがね。知られてしまった以上はあなたを自由にさせておく訳にはいかないんです。もし、真相を知ってしまった者は速やかに記憶、肉体もろとも消去(デリート)するか、他の星へワープしてもらわないとね。からくりを暴かれてしまうと困るんですよ。これは国家機密とほぼ一緒ですからね。ペラペラと流布されては元も子もない。いいですか?今更ジタバタしてもムダですよ。照準はあなたに向かっています。寸分の狂いもなくね。命乞いをしたってダメですよ。秘密を握った者は容赦なく抹殺するか、強制移動させるのが我々の掟でしてね。」秘密組織の一員は今、一人の人間を闇に葬り去ろうとしている。その命、「風前の灯火」人間はこのままなす術もなく、誰にも知られる事なく、消されてしまうのだろうか。「真実に近付きすぎた者はね、はっきり言って邪魔なんですよ。我々の計画が台無しになりますからね。ほら、陰謀論とかやたら好きな人居るでしょ?都市伝説なんかもそうだ。信じるか信じないかはあなた次第ってヤツですよ。我々の立場からすると、あれって全部真実なんですよ。だからね、敏感な人は目障りなだけです。まぁ、世論的には所詮ただの噂程度としか思っていない人が大半でしょうけどね。ありがたい事です。好都合ですよ。察しの悪い人ばかりで。鈍いままで居てほしいんですよ。でも、たまにね、こうして気付いてしまう人が居るので見つけ次第、処理させてもらっています。もし、世界中の人がこの事に一斉に気付いてしまったら、それこそ蜂の巣をつついた様な騒ぎになりますよ。」

「この世は全て、幻想(ホログラム)です。あなたはスクリーンに映し出された投影です。実体などありません。今は政府や信用できる機関でさえ平気で虚偽情報(フェイクニュース)を発表する時代です。嘘と真実が玉石混交。何を信じればいいのでしょう。虚偽の中に真実が紛れ込み、真実の中に虚偽が隠れてる。どちらか一方だけを取り出そうとしても、渾然一体となりすぎて抽出できません。朱に交われば赤くなる。朱(スカーレット)と赤(レッド)は似て非なる物ですが、どちらも同じ系統として扱われます。」今日もあなたに幸あれ。続く。