これは「夢」なんですか?「現実」じゃないんですね?それで確定なんですね?やったー!という事は僕の悲願が達成されたんだ!僕の夢ですか?それは「夢の中」で生きる事です。誰も到達した事のない世界ですよ!まさしく、世界初の快挙です。よっしゃ!よっしゃ!今まで「現実逃避」してきた甲斐があった。徹底的に逃げて、逃げまくって、「現実」を無視したからこそ僕は「夢」そのものになれたんだ!僕は生まれる世界を間違えてたんだ。ここに生まれるべきじゃなかったんだ。僕は「夢」の中でしか生きられない。それこそ「夢中」じゃないと生きられない。「現実」っていうのは何かと「ハード」だからね。「ソフト」な人は絶対に生き延びる事は不可能なんだよ。最初っから、こうなっていればこんなに「遠回り」しなくてよかったのに。「生きてる」っていう感覚なんてまるでなかったな?ずっと「夢か現(うつつ)か?」みたいな境地を彷徨っていたからね。地に足が着かなくてフワフワしてた。「僕が生きる世界はここじゃない」って思ってたんだ。僕は「現実」の世界で生きてきたけれど、「リアルさ」は欠けていた。どこかスクリーン越しに見てた気がする。その理由がようやく分かった。それは「白昼夢」を見ていたからだ。「白昼夢」っていうのは目覚めながら見る夢の事さ。眠っている間に見る夢とは全然違う。どうりで「悪夢」ばかり続くなと思ってたんだ。普通だったら「いいこと」だとされてる事でもね。僕にとっては奇妙奇天烈摩訶不思議、そんな「白昼夢」の世界こそふさわしい世界だったんだ。これで煩わしいだけの「現実」とは縁を切れるぞ。これからは思う存分「夢の中」で生きてやるんだ!「夢」とか「目標」ってね必ずしも持たなきゃいけない物じゃない。むしろ、それがある事で足手まといになって前に進めなくなる事だってある。身軽に漂いながら生きたいんなら夢なんて邪魔なだけだよ。百害あって一利なし。          「渡り鳥みたいに一か所に腰を落ち着けずにその都度拠点を変えながら生きるには夢や目標があると重たくて飛び立てない。解読不能な夢と現実の境目で僕は夢と一体になる。娑婆(しゃば)に別れを告げて、西方浄土に安住するんだ。白昼夢。馬鹿げていると誰かが一笑に付した。白昼夢。誰かはそれを見て万歳三唱した。夢中になる。夢中で生きる。」今日もあなたに幸あれ。続く。