「BIGFISH」を直訳すれば、「大きな魚」という意味になるが、別の意味もある。「HE  IS  BIGFISH」と言った場合、「彼は重要人物だ」の場合と「彼はお山の大将だ」の二通りの解釈が出来る。どちらの表現がふさわしいかは話の流れ次第。「重要人物」と聞いて、「IMPORTANT」では?と思った人も居るだろう。「IMPORTANT」は書き言葉で、話し言葉では「BIGFISH」が使われる事が多い。とにかく影響力が強くて大きい人をこう呼ぶ。ならば私は「LITTLEFISH」だ。間違っても「BIGFISH」ではない。私が他人に及ぼす影響力などたかが知れているし、ほとんどの人が私を重要視していないから私の言葉などに耳を貸してはくれない。話という物は「何を言ったか?」ではなく、「誰が言ったか?」の方に左右される。同じタイミングで二人の人がSNSで発信したとしよう。Aさんは既に知名度抜群で、メディアなどへの露出も多い。かたやBさんは何の肩書きもない地味な一般人。よくよく発信内容を見てみると、むしろBさんの方がいい事を言っている。Aさんはかなり適当でいい加減な事をちょろっとこぼすだけ。なのにAさんの方には数え切れないくらいのリアクション。称賛するようなコメントや「いいね」「ハート」が乱舞する。リツイートも多い。Bさんの方はほぼ無反応。リアクションもパラパラ。これが「BIGFISH」とそうでもない雑魚の違い。「BIGFISH」は良くも悪くも注目される。その一挙手一投足を誰もが見ている。もちろん、その人が「BIGFISH」になるまでにはそれなりの苦労や努力もしたんだろう。だから、なるべくして「BIGFISH」になっている。だが、あまりにも影響力が強くなるのも考え物。行き過ぎるとただのお山の大将になり、憧れの対象から蔑みの対象へと成り下がる。                           「僕はまだそんなに注目されてないし、影響力も持たないLITTLEFISH。重要人物でもないよ。一度でいいからBIGFISHになってみたいなとは思ってる。やっぱり自分の発言とか行動をそのままスルーされるのは悲しいからね。人って多かれ少なかれ、承認欲求も自己顕示欲もあるしね。それが満たされないと安心できないんだ。でも、方向性を間違えるとお山の大将になっちゃう。どうせなら誰からも重要視される存在になりたいよね。お山の大将なんて恥ずかしいからさ。」今日もあなたに幸あれ。続く。