世の中は「やりたい事をやろう!」「好きな事を仕事にしよう!」と盛んにアピールしている。確かにやりたい事があるのなら、やった方がいいだろうし、好きな事で食べていけるなら、そうしたいだろう。しかし、ちょっと待ってくれ。いきなりそんな事を言われても今すぐに「やりたい事」や「好きな事」が思い浮かぶ人ばかりではない。もし頭に浮かんだとしても即行動に移せる人なんてわずかだ。そうすると「それは何らかのブロックがかかっている可能性が……」と言う専門家も居るが、誰だってそうしたブロックなんてあるだろう。むしろ何のブロックもない人の方が珍しい。行動した人の方が偉いなんていう風潮もあるけれど、それだって一概にそう決めつけるのは乱暴だ。行動しない方がその人にとって正解の場合もあるのだから、全ての人に当てはまるはずがない。ポジティブで楽観的な性格の人はとにかく最初の一歩を踏み出すのが早い。不安や恐怖より「面白そうだな」「ワクワクするな」という気持ちの方が勝るからだ。直感でピンと来たら、とりあえず飛び付いてみる。やってみる。失敗したり、上手くいかなかったとしても切り替えが早く、さっさと忘れて次のチャンスを伺う。だが、慎重な人はそうはいかない。常に失敗やリスクを恐れて、なかなか決断が出来ない物だ。相当検討して勝算がありそうだと判断するまでにかなりの時間がかかってしまう。決断が早い人から見れば、「何をグズグズ悩んでるんだ?とにかくやってみればいいのに。それから考えればいいのに」とじれったく感じるのだろう。だが、それはあなたの意見の押し付けだ。「思い立ったが吉日」「チャンスの神様は前髪しかない」これはいずれもチャンスという物は待ってくれないから、なるべく早く行動しようという意味だが、そういった格言には必ず反対語もあって、「急(せ)いては事を仕損じる」なんて格言もある。じっくり時間をかけて考えた末に答えを出したって遅すぎる事はない。納得するまで考えるがいい。将棋や囲碁だって「長考」の時間が与えられているのだから。                               「最初の一歩は誰だって恐い。できるかな?やれるかな?恐る恐る踏み出すその一歩。今にも割れそうな薄氷を踏むとはこの事だ。ずっとずっとためらっていた事に答えを出して、あなたは前に進む事を決めたんだ。ビビりながら、泣きそうになりながら、途中で引き返そうとしながら、心臓だってバクバク言っている。それでもあなたは勇気を出してBABYSTEPを刻むんだ。一歩進んでは立ち止まり、やっぱりやめようかなとちょっと後悔したり、えーい、行っちゃえ!と奮い立たせたりしながら、そろりそろりとBABYSTEPで進む。ノロノロ運転?それだっていいじゃない?誰もあなたをあおらないし、バカにもしない。もしかしたら沿道から声援が飛んでくるかもよ。あなたが勇気を出して一歩を踏み出した事に触発されて、他の誰かもあなたと一緒に歩き出すかもよ。あなたが踏み出すBABYSTEPが自分の思っている以上に多くの人に影響を与えるんだ。こわごわとしたBABYSTEPが進んでいく内に、堂々としたGIANTSTEPに変わるんだ。」今日もあなたに幸あれ。続く。