「チャンスの神様は前髪しかない。だから、すれ違いざまに素早くつかまないとダメ」なんて言われたりする。上手くいっている人は確かに機を見るに敏だ。しっかりと前髪を絶好のタイミングでつかんでいる。ただ、せっかく近くに居てもその存在に気付かなかったり、タイミングを逃してつかめないだけ。しかも、こちらのタイミングに合わせて現れる訳ではない。ハード面、ソフト面の準備はバッチリであとはチャンスの神様がいつ現れても大丈夫。そんな時に限っていつまで経ってもやってこない。そして今はそんなタイミングじゃないしなんて思っていると不意にすぐ横に居てビックリしてしまう事もある。「え!ちょ!待って……」何の準備もしておらず、すっかり気を抜いている時にこれ以上ないくらいのビッグチャンスを持っていたりするから皮肉な物だ。どうやらチャンスの神様にもタイプがある様だ。まるで弾丸の様に真横を通り過ぎていくせっかちな神様。自分の真横に来た時にわざわざ立ち止まってつかみやすい様にしてくれるのんびりな神様。せっかちな神様に翻弄されてせっかくのチャンスをつかみ損なったのは一度や二度ではない。「そんなに速かったら追い付けないじゃん……」そんな風に思った事もある。でも、のんびりした神様のお陰で、めでたくチャンスをモノにした事もある訳で、その時は心から「神様、ありがとうございます。」と上機嫌で言えたりもした。どうやら今、僕の周りにはせっかちなチャンスの神様が自分の周りを何周もしているらしい。だからチャンスらしき物が見えているし、何とかしてつかもうとしているのだけれど、尋常じゃないくらいスピードが速くて今の自分ではとても追い付けない。う~ん、惜しいな……チャンスだって分かってるんだけどな。あと一歩か……             「チャンスの順番は必ず巡って来るよ。だから焦らないで。あなたより遅くスタートした人があなたより先にチャンスをモノにしている場面を見て、悔しかったり、腹立たしかったり、残念だったり、いろんな気持ちが渦巻くと思うけど、今まで逃し続けたチャンスは必要なかったんだと思うよ。一瞬やった!と思うだろうけど、それはダミーで本当はつかまなくても全然OKだったって事だよ。チャンスっていうのは人数分ちゃんと用意されているから、買い占めたりしなくても大丈夫だよ。」今日もあなたに幸あれ。続く。