#四月になれば彼女は  | 新宿信濃町観劇部日記時々野球とラグビー

新宿信濃町観劇部日記時々野球とラグビー

兵庫県出身。還暦直近の年男。文学座パートナーズ倶楽部会員。

作 成井豊 真柴あずき 演出 鈴木結里 

鎌倉アクターズワークショップの大学生たちの企画。女優鈴木結里を育てた鎌倉アクターズ、その鈴木が演出という事で、大船から湘南モノレールに乗って「富士見町」駅そばのスタジオへ。後輩の高校生たちかな、入場時に手をアルコール消毒してくれて、ウイルス対策もしっかり。

あのキャラメルボックス作品。心温まるストーリー、登場人物のキャラもよく立っていて、上演時間が二時間と思えない濃さ。勿論、本が魅力的ではあるが、新成人が中心とは思えない演技力ですっかり楽しませてもらえた。

大学生が一から企画し作り上げる作品。瑞々しさに溢れた演技はとても好感が持てる。不規則なバウンドをする楕円球のような人生の機微を若い人たちが懸命に表現する様は素晴らしい。ラグビーが国民的人気を持つようになった今、監督の堀口のラガーマンらしさ、そして息子の健太郎の素直さは客席の共感を引き出したに違いない。

演劇集団新星人、すなわち新成人を中心としたメンバーや後輩たちの中に、ロールモデルとしての鈴木結里を追いかける人たちも出てくるだろう。堀口の元妻で女優のカンナを演じた鈴木の、これまでに観たことのない魅力にも触れて、そして彼女の後輩たちのイキの良さも知れて、湘南まで足を伸ばした甲斐があった。また観たいと思える若者が何人もいた。頑張って👍



あらすじ
15年前、のぞみとあきらの母親である麻子は夫をなくし、娘たちを姉結子に預けてメイクアップアーチストの成功を求めてLAに行く。のぞみとあきらの育ての親となった結子と夫だったが、その夫が他界したことで、姉ののぞみは麻子に帰国を促す手紙を書く。それでもようやく帰国した麻子に姉妹は心を開かない。
そんな中、スポーツ新聞社の記者のぞみにとって就職前から憧れのラガーマン堀口のスキャンダルに巻き込まれ、息子の健太郎を家で預かる事になるのだが…