#花火舞い散る 59期夜間部卒業発表会A | 新宿信濃町観劇部日記時々野球とラグビー

新宿信濃町観劇部日記時々野球とラグビー

兵庫県出身。還暦直近の年男。文学座パートナーズ倶楽部会員。

作 田村孝裕 演出 高橋正徳 

ここ数年、本科の卒業発表会を毎年観ているが、私の知る限りベストの出来。ダブルカーテンコールは研修科発表会でも経験ない。もちろん研究生の皆さんの熱演あってこそだが、本の素晴らしさやスタッフのプロフェッショナリズム、そして演出家の「引き出すチカラ」なくては観客の真の感動を呼ぶことはない。いや、坂口芳貞さんのお導きかもしれない。坂口さん、いい発表会でしたよ。

椿組2007年夏の花園神社はどうだったんだろう。花火職人役の外波山文明の姿も想像しながら観ていた。



本科公演で涙腺が崩壊したのは初めてのこと。今時の若者にも共感性があるストーリーで、彼ら彼女らが本の中身を腹に落とせたからこそ、かな。その点で私が観た昼間部の上野動物園は難易度が高めだったのかもしれない。

と、褒めるのはこのあたりまで。もちろん細かい点で課題は見えるし、それは演出家のダメ出しを待つまでもなく本人たちがわかっている事だとも思う。終演後に大勢の前で、「二落ちにならないでね」と釘を刺した。まぁ煩いおっさんのコメントとして聞き流すだろうけどね。

花火と同じで、最高の出来なんて奇跡が起きないと到達できない。私が親しくしているあなた方の大先輩たちは常に、更なる高みとのギャップに苦しんでいる。それだけは心に仕舞っておいて欲しい。

偶々隣席になった方が昼間部研究生のお母様で、終演後に感想を交換している内に、20代の頃に武蔵小杉あたりで出会っている可能性があることがわかった。It’s a small world, indeed!