終戦記念特別企画「見つめなおそう!戦災の傷跡」(最終回)
引き続き、岡山市内にある「戦災の傷跡」を巡ってみました。
最後はこちらの、岡山市蕃山町にある「蓮昌寺」です。
このお寺も空襲で焼失し、今では戦後に新築された「供養舎」で仏事が
執り行われています。
蓮昌寺は、室町時代初期の創建と伝えられ、江戸時代初期の城下町整備に伴っ
てこの地に建築され、戦災前は本堂(桃山様)・三重塔 (室町様)が国宝に指定
されていました。
昭和20年(1945年)6月29日未明の岡山大空襲の際、田町付近は特に激しい被害
を受け、寺の建物はすべて焼け、当時の住職も亡くなりました。
わずかに残った法華塔、頌徳碑、灯籠、句碑にも焼夷弾で焼けた跡や折れたり、
こちらが戦災前のお寺の写真です。
真ん中にそびえたつ「題目石」ですが・・・
戦後、跡地から掘り出されました。
岡山空襲の時に損壊した「題目石」が、平成12年(2000年)、工事により、元の
蓮昌寺境内から出土した。
国宝であった本堂と三重塔の間の参道脇に建立されていた題目石で、南無妙
法蓮華経の題目が刻まれていた。
一帯が空襲で焼失した際に倒壊したため、埋め片付けられていたうちの二つ
の破片が掘り出されたもので、被災の激しさを物語っている。
台座は残っていたが、昭和53年に平井山墓地の蓮昌寺墓所へ移転され、保存
活用されている。
この破片が、空襲のすさまじさを物語っています。
これほどの破壊力を持つ爆弾が、人間の上に降り注がれたのですから、
ひとたまりもありません。
こちらは空襲で破壊された「三重塔」の礎石です。
境内に設置された灯篭や手洗い鉢なども、焼け跡に残された物で、あちこちに
損壊が見られたり、焦げ跡がついていて、空襲のすさまじさを今に伝えています。
皆さんも終戦記念日を機会に、お近くの戦災の傷跡を見つめ直してみては
いかがでしょうか。











