最近ちょっと月について考えたことを書きます。

 

タロットで18番・月は、「不安」のカードです。

 

月って日本だとお月見とか、神秘的だったりロマンチックなイメージがありますが、占星術やタロットだとあまりポジティブには習わないんですよね・・・。

 

生命の木では上の月と下の月があります。上の月は2番・女司祭に当てはまっており、下の月は「イエソド」という場所に当てはまっていて、その人の「無意識」に関係しているところです。

 

 

実際にお悩みを占っていて、18番・月のカードと一緒によく出るのが、

「力」「悪魔」「女司祭(女教皇)」です。

 

「力」のライオンはその人の暴れるライオンの部分=無自覚の欲求を理性でよしよししている姿です。

 

「悪魔」も欲望のカードです。必要十分にあっても、もっともっとなくちゃ困るとキリがなかったり、ないないと焦りやすい部分を表します。

 

「女司祭(女教皇)」は、その人が生まれつき持っている変えられない性質。三つ子の魂100までみたいなその人の性分だったり、そこを侵されると絶対にイヤ!という領域だったりします。

好き嫌い以前のもっと本能からくるもの、初めて見た瞬間、ゴキブリや蛇が怖いとかも入ります。

生まれた後であっても、小さい頃から繰り返し体に刻み込まれた体験(例えば親の教えや体罰とかも)は、その人の自動的で反射的な、無自覚の反応パターンになります。

女司祭は「女性性」のカードの代表ですが、女性に月経があるように、女性と月ってなかなか関係が深い気がしますね。

 

占星術の「月星座」も、無意識の欲求や不安にかかわると言われています。タロットで言えば「悪魔」みたいな感じ。

その人の輝くメインの方向は太陽星座ですが、月星座はその人が「すごくメインに持って行きたい部分なんだけどメインに持って行けないジレンマがあるところ」なんだそうです。

月って太陽と同じくらいの大きさに見えるし、光ってるし、太陽に負けないんじゃないかって思っちゃいます。

その人が気になっちゃうポイント、もっとできるんじゃないかと焦ったり、逆に人より劣ってるんじゃないかとコンプレックスになりがちなんだそうです。

 


 

タロットで15番・悪魔のカードとこれまたよく一緒に出るのが、

反対の3番・女帝です。

 

「ないない、どうしよう、もっともっと欲しい。もっともっとやらなくちゃ。」

 

という悪魔に、

 

「大丈夫、ありますよ。十分ですよ」

 

と、言ってくれる「女帝」。

 

やっぱり、悪魔を救うのは、

月の不安を救うのは、

「女帝」なんじゃないかな、って思うのです。

月の「満ち欠け」ってあるじゃないですか。

それってまさに女帝(満ち)と悪魔(欠け)って感じがします。

あっても(女帝)ない(悪魔)と感じる。

 

以前、月星座について調べている時に、「月並み」っていう単語を見かけたことがあって。

月並み、フツー、人並み・・・。ある意味、いい言葉だと思います。

お寿司も「特上」でなければ、「上」より「並」の方が損がないって聞くし。(関係ないか(^_^;)

 

 

フツーに必要十分には持ってるもの。しかも、後天的な努力で得たというより、生まれつき持っているもの。

 

占星術で2番目は牡牛座です。

2ハウスは「体」「所有」「生まれついて持っている才能」に関わります。

タロットの2番は女司祭(女教皇)で、「五感」のカードであり、体に組み込まれたDNAのような「私らしさの元」です。

よく、月星座が「本当の自分」とか、「親しくなると出てくる自分」とか言われるのも不思議と共通します。

 

占星術で天体「月」の年齢域は子供時代です。

まだ頭が発達していないので言葉も出ない。「好き・嫌い」という感情すらまだない。目の前の母親と自分だけの世界。

月がルーラーの蟹座が、母性とか家庭的と言われるのはそのためだそうです。

 

赤ちゃんの頃の「快・不快」の感覚。動物的な本能、五感、おなかすいた、寒い、痛い、熱い、ここを失ったら生物として命に関わるのが「月」。

子供が母を慕う気持ちも本能で、感情はもっと後になってから。

まだ何のいい思い出も嫌な思い出もない段階から、この人についていかなければ、愛されなくては、ご飯をもらわなければ、生きてくのに必要な全ての術を教わらなければ、私は死ぬ!って思うんじゃないかな。

カルガモが卵から出て一番に目に入ったものに一生懸命ついていく「刷り込み」のようなものが「月」なんだと思います。

 

もしかしたら、生まれついてあるからこそ、「末は博士か大臣か」が、「ハタチ過ぎればただの人」みたいなことはあるかもしれないけれど(^_^;)

でも、無くはないんだと思います。

※追記 

個人的には、タロットなら逆位置(多すぎたり少なすぎたり)みたいな感じかな?と思います。「逆位置でもそのカードが出てることに変わりはない」と私は習ったので、8番・正義が逆になったからって、12番・吊るされた男にはならない。みたいなイメージでいます。

 

実際、自分に「ない」才能ってたくさんありますけど、「いや、私それ向いてないから別に要らないし」と、気にならないものもありますよね。

一方で、ないないと焦る部分もある。

そういうポイントは、いくら周りの人が「そんな気にすることないじゃん、あるじゃん」って言ってくれても、本人には納得が難しいんだと思います。 (´Д`ι)アセアセ

なにしろ、これ失ったら死活問題、くらいの「月」ですから。

それが満たされると安心するし、ないと不安になる。

 

誰の心にもある、「月」や「悪魔」や「ライオン」が、いたずらに焦燥感や不安を煽ってきた時には・・・

「大丈夫、ちゃんとあるよ」

 

って、言ってあげたらいいのかもしれませんね。照れ