占いと全然関係ないですが、他に書く場所もないので、こちらに独り言を書きます。

 

最近アマゾンで映画「100日間生きたワニ」監督 上田慎一郎 ふくだみゆき 

が視聴できるようになっていたので見ました。

 

Twitterの原作を知りませんし、ただちょっとネガティブな評判を風のうわさに聞いた作品だったので、気になって見て見ました。

一言、とても良かったです。

 

タイトルをちょっと原作と変えて、オリジナル要素を半分足しているんですね。

 

アニメ作品というより、映画という感じ。

細やかで、みなまで語らない、粋で、キャラクターの心情が伝わってくる作品。

 

評価が低いのは、普段、物語を見慣れていない人は、細部の演出を見落としてしまって退屈に感じるせいなのかも。

私も他の方のレビューを見て気づいたところが3か所ありました。あれ?このカットは何だったの?と思ったところもちゃんと伏線が回収されていたし、前半と後半で韻を踏んでいるかのような工夫があちこちに散りばめられていました。

 

調べて見ると、監督はアニメ界の方ではないんですね。

意図的に邦画っぽさを取り入れている、という記事も見ました。実写でもできそうなくらいリアル感があったのはそのせいでしょうか?

私は、大人の事情で声優がタレントで固められる昨今のアニメ映画にがっかりすることが多いのですが、この作品に関しては、アニメ声優さんの声の出し方ではない(アニメとしたらいわゆる棒読み)なところがリアルでした。逆に、アニメ声優が流暢にキャラに感情入れてしまうと、違う感じになってしまうかも?

カエル君の浮きっぷりとか、それに戸惑うネズミ君の気まずい演技が上手だった。

 

喪失と、そこから止まっていた時間が動き出すまでの物語。

分かりやすく泣かせに来るのではなく、抑えた描き方が素敵でした。

 

いきものがかりのエンディングTSUZUKUも良かったです。

雨の降り方も上手。(桜から100日ってちょうど梅雨明け近い)

エンディングロールの映像も良かった。お母さんといるヒヨコ、ゲームを楽しむご両親・・・。(;_;) 最後の最後のワンカットも良かった。

 

私はそんなに物語に目が肥えてるか分かりませんが、小説でもアニメでも良い作品は誰が何と言おうと良いとしか言えないし、ダメなものはダメです。(当たり前ですが(^_^;)

生き馬の目を抜くエンターテインメント界は大変だな・・といつも思いますが、作品そのものだけを見る以外の楽しみ方を知りません。

 

カエル君のウザさがリアルで、元気なんだけどちょっと無理してる感じだな、どうしたんだろう?って人、いますよね。入学直後とか、新しい環境に来た時に、ちょっと必死さが出てしまう。

そこに潜む感情の揺れや、それぞれの背景・・・。

途中、ネズミ君たちが怒りだすんじゃないかと心配になりましたが、みんな何も言わないのも良かった。(カエル君は少しワニ君に似てる)

 

お金を払って観に行くファンの方はいろんな思い入れがあるでしょうし、一度きれいに終わっている原作にオリジナルを足すのは、どうしたって蛇足になるので難しいと思います。

私もどちらかと言えば余韻を楽しみたいタイプなので、好きな作品であればあるほど、二匹目のドジョウみたいなことをしてほしくない方です。

安易なスピンオフとか、キャラを借りただけの原作を尊重してない二次創作は残念に思いますし、そういう心情はよく分かります。

 

でも、そういったものを踏まえても、独立した一本の「映画」として、フラットな目で初見の人が見た場合に、とても丁寧で心温まる傑作だと思いました。