この日投げた111球目は、ダルビッシュの脇を抜け、センターへ転がって行った。
今年初登板で、完全試合まであと1人、9回2アウトから27人目のバッターにヒットを許し、偉業を逃した。それでも、打たれてチームメイトがマウンドに集まったときやベンチに下がったときの表情は柔らかかったように思う。マウンドを降りた時の、観客の声援にも珍しく帽子をとって応えた。

今日の試合を見て確信した。今年のダルビッシュはすごいぞ。去年の成績は軽く超えるだろう。今日の試合でも、無四球・14奪三振。去年苦しんだ米国のボールに馴染んだのだろう。試合後のインタビューでは、完全試合を逃したことについて、「まだそこまでの投手でないということ」と謙虚に、冷静に受け止めているのはさすがだ。

しかし、惜しかった。悔やんでも仕方ないが、ちょっと不用意にいったストレートを打たれた気がする。ダルビッシュ本人が以前、「基本的にこっちのバッターはストレートしか狙ってない」と言ってたのを思い出した。