アレクセイ・ナワリヌイ氏が

2月16日、逝去した。

 

極圏のオオカミと呼ばれる

シベリアの刑務所で、

散歩の途次に急に体調が悪化して

亡くなったという。

 

しかし、未だ死因は謎だ。

 

氏の家族がご遺体を引き取りに

北極圏の刑務所へ赴いたのに

扉は閉ざされている。

 

関係者が何度引き取りを要求しても

回答はないのだそうだ。

 

モスクワでは

ナワリヌイを忍んで花が手向けられているが、

集会は当局によって禁じられている。

 

彼は2011年から、腐敗したプーチン政体と

闘ってきた。

 

2013年にモスクワ市長に立候補したが

不正選挙により邪魔され、

2018年には大統領選挙に名を挙げるも

また妨げられた。

 

2021年には、P氏とその連邦保安庁の陰謀で

飛行機内で紅茶に毒を盛られた。

 

その後、ドイツで治療を受け

奇跡的に回復した。

 

そして翌年、ロシアに帰国するとすぐに

逮捕され、過激主義者だとされ19年の刑に

処せられた。

 

 

私は2年前に、ドキュメンタリー映画“ナワリヌイ”を見た。

 

 

 

 

 

背が高く、清潔感がある彼は、

腐敗したロシアの政治を新しくする人に相応しいと思った。

その正反対のP氏にとって、

ナワリヌイは大きな脅威であり、嫉妬させただろうことは

想像に難くない。

 

映画”ナワリヌイ”の中で

ベリングキャット(オープンソースを使って事実確認や

情報収集をするネット上の調査員の団体)の助けを借りて

自分を暗殺しようとした工作員を突き止め、

ナリワヌイが電話でその工作員とコンタクトを取る場面は

大変興味深かった。

 

 

私は自国の政情とロシアのそれとを重ね合わせざるを得ない。

嘆かわしい国になってしまったものだ。

 

裏金、脱税、賄賂は日常茶飯事で、

責任を取って辞任するどころか

開き直っているようにも思える。

恥知らず、という人々なのだろう。

 

SNSでは批判している人が多く頼もしいが、

その反面、

NHKの報道は政府の息がかかっているのか

首をかしげるようなアナウンスをしている。

 

ロシアでもナワリヌイを支持しない人々の多くが

もっぱらテレビから情報を得ていたそうだ。

 

気をつけなければならない。

 

それにしても

日本の野党は何をしているのか?

今まさに、ひっくり返すチャンスでしょ?

 

 

ナワリヌイは

療養先のドイツを離れなければ

まだ元気でいただろう。

新しく生まれ変わったロシアを見ることなく

この世を去ったのは残念だ。

47才だった。

安らかに。