昨年から、その年に読んだ本の中から「マイ・ベスト・ブック」を決め、勝手に発表しています。
今年は58冊と昨年並みの読書量でした。
結構、再読もありますが。
年間100冊は読みたいところですが、なかなか達成困難ですね。
では、今年も選りすぐりの3冊を。
まず、大ファンの町田康さんの「宿屋めぐり」。
ハードカバー600ページの大長編。
真実とは、正義とは――を追求した作品ですが、そんなテーマなんてどうでもいいくらい相変わらずぶっ飛んでいて抱腹絶倒です。
ただ、同じ大長編でも個人的には「告白」の方が衝撃があって面白かったです。
続いて、福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」。
実に、じっつにスリリングな科学ミステリです。
たとえば、1年ほど経てば私たちの身体は分子レベルではすっかり入れ替わってしまうなんて、示唆的ですよね。
あと文章も思わず唸るくらいうまい。
科学というと一見味気ない学術分野に思えますが、福岡さんの手にかかると輝きを帯びてくるのですよねぇ。
最新作「できそこないの男たち」とともに傑作です。
ベスト3の最後は、立川談春さんの「赤めだか」。
というか今年読んだ本の中でダントツの優勝です。
僕みたいに談志師匠のファンでなくとも、感動必至でしょう。
ああ、この厳しくも幸せな師弟関係。
最後のシーンは思わず目頭が熱くなりました。
談志師匠のあのセリフのカッコよさったら、もうっ。
来年もいい本に巡り合えるといいですね。
では、良いお年を。
◇
今年読んだ本は次の通り。
●深町秋生「果てしなき渇き」(宝島社文庫)
●垣根涼介「ヒートアイランド」(文春文庫)
●桐野夏生「残虐記」(新潮文庫)
●石原吉郎「石原吉郎詩文集」(講談社文芸文庫)
●松浦理英子「犬身」(朝日新聞社)
●町田康・いしいしんじ「人生を救え!」(角川文庫)
●乙一「THE BOOK jojo’s bizarre adventure 4th another day」(集英社)
●角田光代「八日目の蝉」(中央公論新社)
●乾くるみ「イニシエーション・ラブ」(文春文庫)
●ドストエフスキー・亀山郁夫訳「カラマーゾフの兄弟1」(光文社古典新訳文庫)
●伊坂幸太郎「死神の精度」(文春文庫)
●城山三郎「『粗にして野だが卑ではない』石田禮助の生涯」(文春文庫)
●福澤徹三「壊れるもの」(幻冬舎文庫)
●町田康「フォトグラフール」(講談社)
●日垣隆「常識はウソだらけ」(WAC文庫)
●内田樹「ひとりでは生きられないのも芸のうち」(文芸春秋)
●内田樹「村上春樹にご用心」(アルテスパブリッシング)
●乾くるみ「リピート」(文春文庫)
●荒川洋治「忘れられる過去」(みすず書房)
●上田紀行「かけがえのない人間」(講談社現代新書)
●福岡伸一「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書)
●村上春樹「象の消滅」(新潮社)
●高橋洋一「さらば財務省」(講談社)
●松浦理英子「裏ヴァージョン」(文春文庫)
●山田詠美「風味絶佳」(文春文庫)
●立川談春「赤めだか」(扶桑社)
●立川談幸「談志狂時代」(うなぎ書房)
●坂口安吾「白痴」(新潮文庫)
●町田康「破滅の石だたみ」(角川春樹事務所)
●立川談志「現代落語論 笑わないで下さい」(三一書房)
●立川談志「新釈落語咄」(中公文庫)
●筒井康隆「日本以外全部沈没」(角川文庫)
●立川談志「新釈落語咄」(中公文庫)
●福田和也「闘う書評」(新潮社)
●桐野夏生「東京島」(新潮社)
●筒井康隆「エンガッツィオ司令官」(文春文庫)
●絲山秋子「逃亡くそたわけ」(講談社文庫)
●武田邦彦「偽善エコロジー『環境生活』が地球を破壊する」(幻冬舎新書)
●村山治「市場検察」(文藝春秋)
●上杉隆「ジャーナリズム崩壊」(幻冬舎新書)
●中島らも「酒気帯び車椅子」(集英社文庫)
●町田康「宿屋めぐり」(講談社)
●中島らも「特選明るい悩み相談室その1ニッポンの家庭篇」(集英社文庫)
●日垣隆「ラクをしないと成果は出ない」(大和書房)
●中島らも「特選明るい悩み相談室その2ニッポンの常識篇」(集英社文庫)
●森真一「ほんとはこわい『やさしさ社会』」(ちくまプリマー新書)
●村上龍「コインロッカー・ベイビーズ(上)」(講談社文庫)
●飯尾潤「日本の統治構造」(中公新書)
●本多靖春「誘拐」(ちくま文庫)
●中島らも「特選明るい悩み相談室3ニッポンの未来篇」(集英社文庫)
●高橋洋一「日本は財政危機ではない!」(講談社)
●天野節子「氷の華」(幻冬舎文庫)
●歌野晶午「ガラス張りの誘拐」(角川文庫)
●町田康「テースト・オブ・苦虫 おっさんは世界の奴隷か」(中央公論新書)
●町田康「真説・外道の潮騒」(角川書店)
●福岡伸一「できそこないの男たち」(光文社新書)
●辺見庸「愛と痛み」(毎日新聞社)
●重松清「流星ワゴン」(講談社文庫)
(順不同)