カネは天下の回りものと言って、日がな一日回ってくるのを待っていることもこれ珍しくないが、一向にその気配すらないというのは実に悲しいことである。


お国のために日々汗水垂らして勤労してはいるが、そうして頑張っているのにお国は無慈悲なまでに血税を毟り取り、無為・無策の果てに物価の高騰を放置せしめているせいで生活は困窮する一方である。


今月は妻の熊子から、「アパートの火災保険が更新時期を迎えたが欠乏しているので、君の小遣いから支払っておいて欲しい」と請われ、請求書を見て驚いた。


1万6,370円もするのである。


こんな大金を自分の少ない小遣いから支払えなんて、死ねと言うに等しい。


「そうか」と確認すると、「そうだ」と答えた。


くぬぅ。


まあ、それは冗談として、「支払っておいて欲しい」というからには、後日返済されるということであろう。


返済日は今度の給料日ということである。


火災保険はすでに先日切れてしまったので、今、火事を起こすと何ら補償されない。


それは困るので本日支払いを済ませたが、いよいよ家計は火の車である。