禁煙を止めた。
軽い気持ちで禁煙などという難事業に挑んだ自分が馬鹿だった。
夕べの結婚式で飲み過ぎて宿酔だったこともあって、起床後1時間は煙草を吸いたいと思わなかった。
2時間後に口が寂しくなった。
3時間後に禁断症状に襲われた。
気を紛らわせようと新聞を読んだり、テレビを観たりしたが一向に内容が頭に入ってこない。
脂汗が額に滲むのが分かる、責め苦とはこのことだ。
そのうち胸を激しくかきむしり、半狂乱の状態となった。
だが、男がいったんこうと決めた以上遂行せねばと正反対の心情が激しくせめぎ合う。
そうして葛藤するものだから、ますます煙草が吸いたくなる。
このままでは逆に健康を害してしまう。
そういえば、談志師匠が「禁煙なんて意志の弱い奴のすることだ」と言っていたっけ。
こうなるともう駄目で、血走った眼で前傾姿勢になって近傍のコンビニへ向かい煙草を購入、震える手でライターを引っつかみ煙草に火をつけて大きく煙を吸い込んで、自己嫌悪に陥った。
これは聞きしに勝る難事業である。
思いつきなんかで挑んでは大怪我をする。
周到な準備が必要であろう。
そう、1年くらいの移行措置期間を設けよう。
禁煙補助薬の使用も検討の余地ありだ。
あー、うまい、なんだこんなものっ、スー、ハー、う……うまい。