一昨日というと月曜日のことであるが、後輩の結婚式の発起人会があった。


新婦側の同僚の女性2人も出席するというので俄然張り切る。


果たして20代半ばの初々しい感じの女性たちであった。


自意識過剰かもしれないが、着席して何となく自分の左手薬指に目をやると、結婚指輪を嵌めていなかったのではははラッキーって心安けく女性たちとの会話に乗り出すことが……って、ないっ! 結婚指輪がないっ!







わわわ全体いつからないのだろう。


初めてのことだったので、すっかり混乱・錯乱してしまったが、初対面の女性の前で混乱・錯乱している姿を見られたくないので努めて冷静にと自らを叱咤したところ、アクセルを踏みながら同時にブレーキを踏むようなことになって、でたらめに両手を動かしたり奇声を発したりして女性たちから怖がられた。


いったん中座してオフィースの自席の周囲や便所などを捜索したが、見つからない。


紛失してしまったのは明らかだ。


記憶をたどって一つ心当たりがあったというのは、こないだの日曜日に十数年ぶりに草野球をしたことである。


普段着けることのないグローブを着けたために、指輪が外れてしまったのではないか。


しかし、そのときはどうすることも出来なかったので発起人会に戻り、でたらめに両手を動かしたり奇声を発したりした。


自宅では妻の熊子から大目玉を食らった。


肝を潰したのは、「合コンだったのではないか」と嫌疑をかけられたことであった。


鬼検事みたいに厳しく執拗な追及に頭の中が真っ白になり、身に覚えのない罪を告白しそうになったが何とか持ちこたえることが出来た。


生きた心地がしなかった。


その翌日というのはつまり昨日だが、この窮状を打開すべく草野球をした球場に出向いたら平日の真昼間だったのでもちろん休場っ……て韻を踏んでいる場合ではない。


仕事中だったのでスーツ姿で、ベンチの付近や自分が守備をしたあたりなんかを重点的に探した。


が、見つからなかった。


最後の望みが潰えた。


あきらめるほかないだろう。


そういえば、8月に挙式する弟から夕べ、こんなメールが届いた。


「兄ちゃん指輪何処で買ったの? ブランドは?」


くぬぅ。