一昨日というと土曜日のことであるが、妻の熊子が出勤で僕が休日であった。
妻が留守中の夫の楽しみといえば、エロビ鑑賞を置いて他にない。
NHKの全国緊急アンケート調査でも、「おわら踊り」や「黒魔術」等を大きく引き離し、堂々1位となっていたのはご承知の通りである。
僕は妻を車で勤め先まで送った帰りに、意欲満々で全身をふるふるさせながらレンタル店へ直行。
新人女優のそれを借りてふくふくしながら帰宅した。
日の高いうちからこんなものを見るのは何だか背徳的でいささか気が咎めるが、そんな人の善いことをいってうかうかしていたら、妻が帰宅してしまう。
ここは心を鬼にしてカーテンを閉めて完全に遮光し、而して後にDVDプレイヤーの電源釦を押し、返す刀でパッケージから中身を取り出し、起動したところで素早く開閉釦を押し、テーブルの上にディスクを装填、最後にテレビの電源を入れて映像が映るのを待った。
このあたりの手際の良さ・俊敏さにおいて僕の右に出る者はないだろう、スピード社製の水着を着ればもっとタイムを縮めることが出来ることは言を俟たない。
ちなみに北京五輪で正式種目に採用してほしいとかねて申請していたが、9日現在、主催者からの返事はなく、多分理事会でも相当もめているものと推測される。
話は脇道へ逸れたが、直に映像が画面に映し出された。
例によって女優の容姿はパッケージの3割引きであったが、そこは割り切って元はしっかり取らねばと、この場合の元というのが何を指すのか判然としないが、テレビに噛り付いたのである。
したところ、やんおーんとインターホンが鳴った。
っくしょう、何時だと思っていやがるっ、まったく非常識な! ってまだ午前の11時だったのでむしろ僕の方が非常識だろうと直に悟った自分はDVDを一時停止して親機を手に取った。
相手は年輩の女であった。
「最近、怖い事件が多くて厭になりますねぇ。現代社会で心が荒んでいるとしか思えないですのよねぇ。やはり心清らかに生きたいものだと、そう思いますよねぇ」
布教活動である。
ここ最近毎週のように拙宅に来る。
全く興味がないわけではないが、あいにく忙しいのでとそう言って、パンフレットは郵便受けにでも入れておいて下さいとそうも言ってお引き取り願った。
もっともあんなことを言われたのでどうにも気分が萎え、何だかこれからしようとしていることが神様を冒涜するようにも思えてDVDはこれを停止、自分の向後の人生について少し考えて落ち込んだ。