国歌を歌わんやつは嘱託職員として採用しないと東京都。
そりゃないだろと裁判に訴えた元教師。
その判決が7日に出た。
裁判官は「たしかに都はやり過ぎちゃうん?」と元教師の言い分を認める判決を出した。
夕べ、食事の席で熊子がこの話を持ち出してきた。
僕は、あ、来たなと思った。
普段新聞を読まない熊子が社会的なニュースを話題にするのは珍しいことだが、こと国旗・国歌については異様な興味を示す。
一昨年、「国旗・国歌は義務ではない」という東京地裁判決が出たときも、真っ先にこの話題を持ち出してきた。
たしか当時のブログにも書いたと記憶している。
で、夕べは何と言ったかというと、やはり「国旗・国歌を軽んじる怪しからん奴らだ!」と断固とした口調で持論を述べたのである。
僕も保守的な思想傾向を持っているが、熊子はその上を行く。
「国歌も歌わないような教師なんて採用しなくてもいいんだよ。だいたい、そんな教師は学校で国旗・国歌を教えなかったんでしょう? じゃあ子供は一体いつ国旗・国歌を学ぶのだ。まったく愛国心のかけらもない馬鹿教師どもだ」
僕が「でも、憲法で思想・信条の自由ということが謳われていている。教師だって一個人だから当然その権利が認められるのでは」と、まあそんなことは全然思っちゃいないが、敢えて反論して熊子の出方を窺った。
「あんたはそんな屁理屈をこねるからちゃらんぽらんと言われるんだ。いい? 国旗・国歌に関しては教師にそんな権利なんてないの。好きとか嫌いとか私情を持ち込んで、教えないのは絶対に許せない。間違ってる?」
すっかり気圧されて、「ま、間違ってません」と同意した。
それから熊子はすっくと立ち上がり、張り詰めたような表情で君が代を斉唱した。
どういう教育を受けてきたのだろう。
いつか日の丸の鉢巻をして軍服を着用し、街宣車を乗り回すようになると思う。