壁の中に誰かがいる | ホラー映画と発狂女

ホラー映画と発狂女

ホラー、スプラッター、サイコ系映画をメインに観た映画を忘れないよう書いていく雑記帳です。
ネタバレしまくりですのでご注意ください。

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✂あらすじ(ネタバレ)

フール→貧しい家に育った13才の少年、
リロイ→フールの姉の恋人
アリス→家主夫婦の家で虐待されながら暮らしている少女



母が病に臥せっていて貧しい家庭に育ったフール。
13才の少年にも家の困窮は伝わっていた。
母は病気であるし、姉は妊娠中で身動きがとれない。
それなのに家賃の支払が僅かに遅れたことで大家に明日中の立ち退きを求められる。
リロイという姉の友達だという男に仕事を紹介されたフールは話を聞く。
リロイが掴んだ情報によれば家主はコイン収集家で、金貨を溜め込んでいるらしく、それを盗みにはいろうと言うのだ。
金がなく医者にもかかれない母のことや、金のことしか頭にない家主の話を聞き、フールは話に乗ることにした。

家主の家では少女アリスが家主夫婦のにおどおどとしながら育てられていた。
綺麗なドレスを着せてもらいながらも、厳しく監視されながら暮らしているアリスは部屋で1人摂る食事に添えられたフォークが失くなっていることを母である家主妻に咎められる。
床に落としたのだと思うと必死で探すアリスにからはベッドの影になって見えない通風孔から真っ白で詰めの伸びた手が差し出され、フォークを渡される。
アリスはその手を優しく撫ぜ、家主妻にフォークを渡す。
そこへ店が窃盗にあったと機嫌の悪い、父である家主夫がやって来る。
家主妻はアリスが「壁のなかのあいつ」に食べ物をやっていたとに告げ、家主夫はアリスに折檻をする。
壁の中からは悲しげな声がする。

ボーイスカウトのクッキー売りに扮したフールは家主の屋敷に偵察に行く。
しかし対応に出てきた家主妻にあしらわれてしまい、窓には外側から錠のかけられた鉄格子が嵌っていること、壁の部分が開いて一瞬フールの様子をうかがわれたこと、張り出した天井部分が揺れること、窓のカーテンから少女が一瞬見えたことと奇妙な屋敷であるということしかわからなかった。
そこでリロイの他の共犯者、スペンサーがガスの検針員だと偽り屋敷内へ入り込むことに成功する。

道路からその様子を見ていたリロイとフールだったが、家主妻が車に乗って出て行くのを見て不審に思う。
何かが屋敷内であって、スペンサーが金貨を独り占めするかもしれないと危惧したリロイはフールを連れ屋敷内に侵入する。
しかし番犬に襲われキッチンに逃げ込み、そこで天井が揺れるのを目にし、スペンサーは二階にいるに違いないと二階へ向かう。
嫌な雰囲気に二階に行くのを渋るフールは一階に残し、外の見張りをさせる。
残されたフールは物音に気づき、地下へと続く階段のドアを開くとそこにはスペンサーの持ち物が落ちていた。
人の気配もするので勇気を出して暗い地下室へ進んでいくと、仕掛けが作動し閉じ込められてしまう。
男女の言い争うような声を辿っていくと、それは通風孔に向けられたテレビの音声であった。
そして真っ白になって死んでいるスペンサーも発見する。
スペンサーの手には金貨が1枚握られていた。
壁の向こうに居る何者か達にスペンサーの死体は引きずり込まれそうになり、体の一部はボロボロにされていた。
フールの背後から少年がおぶさるように襲いかかり、振り切って逃げようと階段を走り登っていったが段がなくなり、坂のようになった階段をフールは滑り落ちる。
呻き声しか上げず追いすがってくる少年を振り切り、坂(元は階段)を走り上がり鍵のかかってしまったドアを叩いているとアリスがドアを開け逃げ去ってしまう。

フールがアリスの姿を探していると家主夫妻が帰宅し、リロイの車を怪しんでいる。
フールは二階に行き、リロイに家主夫妻が帰宅してしまったこと、スペンサーが死んでいたことを伝え2人で脱出しようとする。
侵入してきた裏口には家主夫妻がおり出られなかったため、正面玄関から出ようとフールがノブを握ると電流が流れ倒れこんでしまう。
窓ガラスも強化ガラスらしく、リロイがいくらバールを振り下ろしても割れない。
家主夫妻はつっかえ棒のしてあった裏口ドアをこじ開け、番犬を入れる。
リロイはフールを立たせて囮にし、番犬を仕留めようとするが、番犬は隠れていたリロイに襲いかかる。
フールは番犬に噛まれたままのリロイを玄関まで引っ張っていき、自分がドアノブを握ることで自分とリロイごと番犬を感電させ、番犬を引き剥がす。
家主夫妻はようやく裏口をこじ開け家に入り、銃を持ち出す。
リロイとフールは二階へ逃げるが、そこも窓ガラスはびくともしない。
家主夫は警備システムを作動し、窓には格子が落ちる。
クローゼットに隠れたリロイは背後の壁が開き、フールが地下で襲われた少年に背後から手を伸ばされ驚いて出てしまい、家主夫に銃で撃たれる。
家主夫妻はリロイを仕留めたことで大喜び。

フールは廊下にいつの間にか立てられていた火の点いた蝋燭と人形に気がつく。
人形には紐が縛られていて、するすると通風孔の中に引っ張られていく。
それを追い、通風孔に潜り込むフール。
通風孔の先にはアリスがいて、人形についた紐を引っ張っていた。
家主夫はフールが居ることに気付いておらず、壁の中の者が彷徨いていると思っているようだ。
フールはアリスと対面するが、アリスは不思議そうな顔をしている。
家から出たことが一度もなく、黒人少年を見たのが初めてだというのだ。
アリスが言うには地下の者達は家主夫妻が完璧な少年を探し、それでも余計なものを見たり聞いたり言ったりしたせいで諸悪と思われる部分を切り落とされ、地下に閉じ込められているのだそうだ。
そして地下室から抜け出し、壁の中に逃げ込んだという「ローチ」の話を聞く。

家主夫はラバースーツに着替え、銃で壁の中のローチを威嚇して周る。
番犬に人間の肉を与えていた家主妻は警察がやって来たのを見て、屋敷内放送で夫を呼び出す。
善良な夫婦の仮面をかぶり対応にあたって、停められていたバンが酒店の強盗が使用していたものであったこと、ボーイスカウトの制服が積んであったことでもう1人共犯者がおり、その者(フール)はまだ屋敷内に潜んでいることを察する。

番犬と銃を持った家主夫に追い詰められたフールだったが、壁から現れた地下室にいた少年、ローチに引っ張りこまれ一緒に壁の中を逃げ出す。
家主夫には壁の中は狭すぎて入れず、番犬を送り込んでくる。
ローチはアリスの人形をローチに投げ、番犬が立ち止まったところでスイッチを入れる。
そこには罠が仕掛けてあり、滑り台のようになった坂を番犬は滑り落ちていき、家主夫妻の居るキッチンへ滑り出る。
番犬の咥えている人形を見て、アリスがフールに会ったことを知る。

フールとローチはアリスの部屋に逃げ込む。
ローチを怪訝な目で見るフールが礼を言うと、ローチは笑顔を見せる。
声は上げるものの話すことをしないローチを不思議に思うと、ローチは切り取られた舌を出してみせる。
そこに家主夫妻が飛び込んできてアリスに平手打ちを食らわせ、フールには銃をつきつける。
ローチは通風孔に逃げ込んでいった。

フールはリロイの死体とともに地下室へ投げ落とされ、家主夫はリロイの死体を解体し、自らもその肉を口にしながら檻の中に閉じ込めた者達にも肉を投げ与える。
解体の終わった残りを汚水槽に捨て、フールを檻に放り込んで去っていく。
飢えた檻の中の者達に詰め寄られていたフールだったが、汚水槽からリロイの残骸が起き上がったことで檻の中の者達は怯え去っていく。
リロイの死体を起き上がらせていたローチが茶目っ気のある笑顔で顔を覗かせる。
ローチと一緒に壁の中へ逃げるフール。
ローチはアリスの部屋から逃げ出すときに撃たれたようで、腹を庇って苦しそうだ。
金貨を差し出したローチは、アリスのことを心配してフールに助けてやってほしいと頼むような仕草をし、息絶える。

アリスは喚く家主妻にリロイの死体があった血だまりに引きずっていかれ、そこの掃除を命じられる。
しかしドレスを血で汚したことを詰られ、熱湯の注がれたバスタブに沈められ、更に家主夫に胸ぐらを掴まれ責められていた。

通風孔を通ってアリスの部屋に辿り着いたフールは、家主夫の股間を殴り、怯んだところでスタンドで殴って追い打ちをかけアリスを連れて通風孔に。
家主夫は再び番犬を放ち、フールとアリスを追わせる。
そして自分は壁の中からする物音を頼りに銃剣を壁に突き刺す。
フールはそれを利用し、番犬と格闘しながらも壁に押し付け家主夫の銃剣で番犬にとどめを刺し、呻き声を上げてフールが刺されたのだと思い込ませる。
銃剣に付いた血と呻き声でフールを殺したと小躍りする家主夫を家主妻は冷ややかな目で見て、証拠を見せろという。
そこで壁の中から息も絶え絶えな番犬が出てきて、そのまま死ぬ。

フールとアリスは通風孔を通って屋根裏部屋に来ていた。
脱出経路を探すフールは、ちょうど真下に池があったことを思い出し屋根から池へ飛び降りようと提案するが、アリスは怖気づいてしまう。
そこへ家主夫が入ってきてフールは急ぎ屋根へ移動する。
家主夫がフールに銃を向けると、アリスはそれを妨害。
アリスを心配するフールだが、屋根を滑り落ちて池に落下する。
家主夫に追われるがまた戻る!とアリスに叫び暗闇に逃げ去っていく。

フールは帰宅し、持ち帰った金貨を知り合いに見せて当分金には困らず、母の医療費も出せることを知り安堵する。
そして家主夫婦が兄妹であることも知る。
イカれた一家の成れの果てだというのだ。
不安がりフールにもう家主夫婦と関わってほしくないと姉は言うが、フールはアリスを助けるために動き出す。

公衆電話から児童虐待が行われていると通報し、警官が家主の屋敷を調べ、家主がその対応に追われている隙にフールは再度侵入する。
火かき棒を手に、家主兄妹の声がする寝室に様子を見に行くが、そこではテープが回っているだけだった。
ラバースーツに着替えた家主兄が反対側の部屋から飛び出して、フールに掴みかかる。
家主妹も騒ぎ立てるが振り切り、屋根裏部屋にアリスがいることを耳にし救出に向かう。

アリスは屋根裏部屋で吊られるように拘束されていた。
壁の内側から杭を抜いてアリスを助け、家主兄妹はアリスの両親ではないことを告げるフール。
おそらく拐われてきたのだろう。
アリスはもう池へ飛び込んでの脱出は使えないという。
家主が池の水を抜き、ガラス片を撒いたというのだ。
壁の中への通路も塞がれてしまっていて、更にはダイナマイトが家中に仕掛けてあるらしい。そこでフールはアリスを連れ、屋根の上に登る。

寝室にいた家主兄妹は煙突から暖炉に落ちてくる灰で、フールとアリスが上にいることに気付き銃を発泡する。
フールの悲鳴が聞こえたが噴煙で様子は見えず、見上げる家主兄。
そこに撃たれてなどいなかったフールはレンガを落とす。
落下していきたレンガに強打され家主兄は後ろに倒れ、家主妹が銃を構えるが煙突から落下してきたフールとアリスに潰され揉み合いになり、銃を手放してしまう。
2人はそのまま降りて行き、フールはまだやることがあるとアリスに裏口から先に逃げるように言い二手に分かれる。

フールと分かれたアリスは家主妹に初めて反抗し、裏口へ向かうが鍵がかかっていて出られずダクトに逃げこむ。

フールはアリスと分かれ地下室へ。
そこで家主兄と退治するが、例の仕掛け階段にかかり銃を奪われてしまう。

家主妹はノックがしたのでその対応に出ていく。
訪問したのはフールの姉で、不当な立ち退き請求に対し抗議に来たのだった。
すげなく追い返し、兄に早くフールを殺してしまうよう急かしに行くが、地下の者達が持っていた懐中電灯の光に目がくらんだ家主兄はフールを取り逃がしてしまう。
そこへまたしてもノックがし、警察がドアを開けるよう要求している。
仕方なく家主妹がドアを開けると、そこにいたのは警察ではなくフールの姉を始めとしたアパート住民達だった。
子供達を拐ったことを責めるフールの姉にアパート住民達も同調し、家主妹はフールの姉に銃を向ける。
そこで天井を突き破ってアリスが落下してきて、家主妹を妨害する。
子供がいないはずの屋敷に少女がいたことで驚く住民達。

地下室では家主兄がフールを探しまわっていた。
隠れていたフールだったが、突然背後の檻から腕が伸びてきて捕まれ引きずられていく。
家主兄はそれに気付きフールに向かって発砲するが、掴まれていた腕を急に放されたことでフールは撃たれず、代わりに檻の鍵に当たり壊れる。
フールは地下室の者に引きずられ、2人で家主兄から身を隠し逃げられる方法があると言う。
すると地下室の者は何かをフールに差し出そうとしているようだ。

地下室の者に示された場所は金庫で、今まで一家が悪徳商売で貯めこんだ大金が無造作に散らかっていた。

いつの間にか家主妹が消え、屋敷の鍵がロックされる。
フールの姉は閉めだされてしまった。
アリスは孤立無援となり、家主妹が包丁を手にアリスに襲いかかる。
階段まで追いつめられたところで階段を破って地下の者の手が現れ、家主妹の腕に食らいつく。
階段下から出てきた地下の者は家主妹から包丁を取り上げ、アリスの手をとる。
逃げ惑う家主妹に、次々壁を突き破り地下の者達が襲いかかる。
追われて逃げる家主妹はアリスの構えた包丁に自ら飛び込むような形で刺され、傷を負いながらも玄関に向かうがそこには地下の者達が立ち塞がっていた。
家主妹は踵を返し、アリスに母を刺したねと詰め寄る。
しかし赤の他人だと突き放され、逆上して腹に刺さったままだった包丁を引きぬきアリスに向かって振り上げる。
そこで地下の者達が一斉に襲いかかり、地下室へ投げ落とされ死亡する。

地下室にいた家主兄はその光景を目撃。
フールを探し、金庫へ向かう。
そこで金貨が音を立てるのを聞くが、それは蝋燭に刺した金貨が蝋が溶けることで落ちていくフールの罠だった。
家主兄の背後を取ることに成功したフールは、金庫にあったダイナマイトで家主兄を脅し、銃を下げるよう言うが家主兄は発砲。
ダイナマイトが爆発し、屋敷は爆発する。
直撃を受けた家主兄は死亡し、汚水槽に落下。
直前に身を躱したフールは無事アリスと再開した。

屋敷の爆発により大量の紙幣が空から舞い散り、集まっていた住民達は歓喜する。
地下の者達は外に出て行く。

✂一行あらすじ
イカレ兄妹の屋敷の壁の中には拉致されてきた者達が住んでいて、少年が救出する

✂感想
ホラーは観たいけどあんまりえげつないのも、血やら内臓やらがブッシャーなのもちょっと・・・という方に良さそうなライトホラー。
少年フールの冒険譚とも言える。
ハッピーエンドなので後味も悪くないし、難解でもないので観やすいかと思う。
それにしても警備やらが厳重な屋敷なのに、やたら壁が薄くて笑える。