整形外科で、電気をあててもらっていたら、

後ろの男の人が、大きな声をあげた。

「あーあ、生きていてもしかたないよ。

早く嫁さんのところへ行きたいわ。」

 

 

多分、この人は常連さんで

いつもこんなことを言っているのだろう。

ついているリハビリ助手の人がすかさず答える。

「そんなことない!」

 

 

男性は続ける。

「いいこと一つもないしな。

嫁さんのところへ行った方が幸せやわ。」

「いいことはいくらでもある!」

「嫁さんも早く来てほしいと思ってるわ。」

「思ってない!

絶対、もっとゆっくりおいでって思ってる!」

 

 

会話はこの調子で延々続き、

最後には、お互い笑い合って終わった。

どんなおじいさんなんだろう、と振り返ると

去って行くのは、五~六十代の男性だった。

 

 

そんなお若さで、奥さまに先立たれたのか。

それなら、そんなことを言うのもしかたないけど、

 

がんばろうよ。

 

 

二月二十一日  「ば」でした。

さびしいんだろうね。しみじみ・・