小学三年生のかっちゃんが、

私の小さなピアノ教室にやってきたのは一年前。

「習っていた先生があまりにもきびしいので

小学一年生の時にやめてしまったのですが

好きなので、また習いたいと言って。」と、お母さま。

 

数年のブランクがあるのに、確実に練習してきて

順調に進んでいく。

いいね、よくがんばってるね、と毎回声をかけていた。

そんなかっちゃん、

レッスンの終わりかけに必ず時計を見る。

お母さまのお迎えが待ち遠しいのかな。

帰ったらゲームができるとか(男の子によくある)

なにか楽しいことが待っているのかな。

私は、そう思っていた。

 

先月、かっちゃんのお友だちのなっちゃんが

「話を聞いてほしい。」と、お母さまと一緒にやってきた。

ついこの前までピアノを習っていたという。

ご事情、うかがってもいいですか?と声をかけると

ちょっとした気持ちの行き違いで、

それまで習っていた先生をおこらせてしまい、

続けることができなくなったのだという。

それは大変でしたね。

うちに来られるかどうかは、ゆっくりお考えになって・・と

話を切り上げようとしたら、

それまではにかんで黙っていたなっちゃんが

急に声をあげた。

「先生のところで習いたい!」

え?それは家でもう一度相談したら?

「だって、かっちゃん、楽しいって言ってるもん。

三十分のおけいこの時間が十分くらいに思えるって。

いつも時計見て、うわあ今日も楽しかった。

あっというまに終わっちゃったって思うって。」

 

知らなかった。

かっちゃんは、そんなことを思っていたのか。

そんな理由で、毎回時計を見ていたのか。

私のレッスン、どう贔屓目に見ても

特に楽しい、というわけではない。

前の先生、どれだけこわかったんだ?

 

ほめてもらったのだけど、

傷ついていた、小学生の気持ちを思うと

なんだか胃が痛くなってしまった私。

一対一のレッスンって、難しいなあ。

私も、気を引き締めないといけないなあ。

 

三月。入れ替わりの時期。

新たな気持ちでのぞみたいと思います。

 

 

三月二十一日  「ば」でした。

今日はちびず(我が家の子犬二匹)の避妊手術でした。

ひー、疲れた!

この話は改めて。