文春を読んでいたら

宮藤官九郎さんのエッセイに

「タイガー&ドラゴンの第五回は神回」という

記述がありました。

え?タイガー&ドラゴンの第五回ってなに?

検索したら、出て来たのは「厩火事」。

うわあ、やっぱりあの回だ!

実は、厩火事の回、

私が、旅先で観てショックを受けて

「このドラマ観よう!」と家族に叫んだ、という

回であったのです。

 

お話のまとまりもすごい。

ラストが清水ミチコさんの遺影で終わる、という衝撃。

古田新太さんの(もちろん、いつもだが)の

見事なまでの悪い男っぷり。

厩火事、という落語の、ちょっと見方を変えたら、

笑えない結末を、しっかり描いている。

私は桂ざこばさんで初めてこの落語を聞いた時、

ああ、この男どうしようもない!と

なんだか泣けてしまったのでした。

でも、私が一番この回を観て衝撃的だったのは

厩火事、の故事を説明するところで

ほんの短い、説明だけのシーンなのに

全員がしっかり中国服を身にまとい、

どこかの野原で、本当に小屋を焼き

(CG?あの時代、そんなことないか)

みんなで真剣に、あやふやな中国語っぽいしゃべり方で

表現しているところでした。

 

私が衝撃を受けた回を

作家さん本人が、「神回」と言ってくれた幸せ。

でも、宮藤さんのドラマって

ちょっと、観るのに勇気がいる。

今やっている「不適切~」も

録画して、やっと少しずつ観ている状況。

あっさり観て、即、感想をいう気持ちになれない。

だって、「不適切~」あまりにも深い。

ぐさぐさ刺さるもの。

 

一番好きなのは「マンハッタンラブストーリー」。

あれも第一回の小泉今日子さんの「カツ丼」の

セリフにショックを受けたんだった。

一言も発せず、ただ心の声を語り続ける

松岡さんもすごい。

あ、「俺の家の話」も好きです。

もちろん、「あまちゃん」大好き。

あんなにおかしいのに、なんで泣けるのかな。

 

 

二月十二日  「ば」でした。

ちなみに、息子「た」は

高校の芸術鑑賞会で、ざこばさんの落語を聞き

感想を書け、と言われて

「ざこばさんの厩火事最高です!」と書いたそうな。

その日の落語は、厩火事ではなかったのにね。

ざこばさん、絶対喜んだと思います。