「週末、マラソン大会なんです。」

スポーツ少年のピアノの生徒さん、そうくんが

浮かない顔をしている。

彼の通う高校は文武両道。

勉強にも運動にも厳しい。

 

あなたは速いから、心配ないでしょ。

私の問いに、

「近辺では迷惑がかかるからって

遠くの河川敷まで行って走るんです。

吹きっさらしでしょ。

なのに、最後の人がゴールするまで

ずっと待ってなきゃいけないんですよ。」

 

あ、それは寒い。

 

「早くゴールした人は、応援してろって。

遅い人、かわいそうじゃないですか!」

 

 

わかる。

私も、足が遅いので、

最後にゴールするのはつらかった。

理不尽だよね。高校生活って。

集団での決まりを覚えていく場だとは

わかっているけど、理不尽。

 

「だから、マラソン大会、

いやあなものになってしまうんだよな。」

 

 

練習のため、と

毎日何キロも授業で走らされるというそうくん。

せめて、寒くないことを祈ろうよ、と

励ましておきました。

 

 

一月二十三日  「ば」でした。

子犬たちとわいわい暮らしております。