その同窓会は、もう開催されないと思っていた。

発案者のKくんが、一ヶ月前に亡くなったからだ。

 

Kくんは四十代で病気になり、

手術したのに、五十代で再発した。

結婚が遅かったので、お子さんはまだ若い。

そして、なんといってもまだ五十代。

どれほどつらい思いをしたのだろうかと思う。

 

学生時代にいっしょに演劇をした仲間たちに

自分の状況を正直に語り、

だから、同窓会をしようと持ちかけた。

「みんなが、卒業してから

どんな暮らしをして、どんなことを考えていたか

知りたいんだ。」

そう語っていたという。

 

同級生や後輩が母校での同窓会を企画した。

当時ピアノを弾いていた私までよんでもらった。

「みんなで歌った歌を伴奏して下さい。」

幹事さんたちから、何曲もリクエストをもらい、

打ち合わせを重ねて、少しずつ練習していたのに、

 

彼の訃報は一ヶ月前だった。

 

 

私の心配をよそに、同窓会は開催された。

もっと感情的になるか、と思われたメンバーは

一ヶ月前のお葬式に、全国から駆けつけたこともあり

案外淡々と、明るく会に臨んだ。

ほぼ三十年ぶりのメンバーとわいわいしゃべって

雨が降る、という予報だったのに

からっと晴れた校庭での記念写真。

 

一歩先に失礼した私が帰る頃に、

雨が降り出した。

あ、Kくん、がんばって

お天気にしてくれたんだな、と思った。

 

 

そんな子だった。

 

 

九月四日  「ば」でした。

旅行に行ってきました。

その話は改めて。