息子「た」(当時二歳)のご寵愛を

いっしんに受ける、ぬいぐるみのペンちゃん

当然、どこへ行くにも「ペンちゃんも」となる。

ペンちゃんの入るリュックを用意したが

それは、二歳の子には少し大きい。

しかも、「あたまがでてないと、いきができないよ」

というので、リュックの口から頭を出す。


思い浮かべてほしい。

二歳にしては大き目のリュックを背負って

よたよた歩く子の頭の後ろには

ペンギンのぬいぐるみの顔・・・


当時、「た」と出かけると

しょっちゅう振り向かれたものである。




実家にも連れて行く。

「おばーちゃーん、ペンちゃんもきたよ!」

満面の笑みで、大好きなペンちゃんを

大好きなおばあちゃんに手渡すと、

おばあちゃんは、いつも眉をひそめて言った。

「ペンちゃん、また少しやせたんじゃない?

あなた、苦労が多いからね。」


べつに、うちの母(=「た」のおばあちゃん)が

変な人、というわけではない。

寝相の悪い「た」は、夜眠ってしまうと

かたわらのペンちゃんを下敷きにしてしまい

結果、ペンちゃんのおなかは、少しずつ

平たくなっていたのである。


母は、ペンちゃんを受け取ると毎回、

黙々と形を整えようとしていた。

ぬいぐるみたちは、大人の思いやりによって

子供のそばに存続するものだ、と

新米の母(当時の私)は、しみじみ思ったものだった。



次回は、ペンちゃん最大の事件

「スイミングスクールについてゆく」です。

不定期連載、お楽しみに!




六月二十四日  「ば」でした。

じわじわと、エアコンをつける機会が多くなっています。

ああ、夏だ。

電気代がこわいぞ。