「ねえ、宝塚歌劇行くのさあ、

公立の入試が終わって、発表までの間にしようよ。」

友人のM子がそういいだしたのは、

中学三年の冬のことだった。



イベント好きの彼女は、以前から

「卒業のお別れ会は、宝塚歌劇とファミリーランド

(もう今はないが、宝塚大劇場に隣接していた遊園地。

動物園もあった)にしよう!」と宣言していて

もちろんそれには同意していたのだが、

M子は私立専願で、早くに高校が決まるが

私は公立専願。行く先も決まらない状態で

遊びに行くのもどうだかなあ・・・

「だって、決まったら忙しくなるじゃん。」

うーん・・・と悩むのは、私ぐらいだったらしく

M子のこのプランはあっというまに広まり、

当初私たちとあと数人で行くはずだったのが

なぜか、隣のクラスからも希望者が出て

結局十数人が、このプランに同意。

当時、毎週宝塚市までピアノのレッスンに通っていた

私は、全員からお金を集めて

歌劇のチケットを買う、という役目を負うこととなり。



十数人分よ!受験前の子がなにやってんだか。

あのころから、私、幹事人生歩んでるなあ・・・



かくして、受験は終わり、

行先の決まらない私は、彼女たちと宝塚へ。



もう数十年前のことなのに、覚えてる。

きりんのおりの前で食べたお弁当。

ジェットコースター組と汽車組に分かれたら、

なぜか、この二つが途中で見事にすれ違い、

おおはしゃぎで手を振りあったこと。

いざ宝塚歌劇の席についたら、

平日の安い席だったせいか、周りはガラガラで

(あのベルばらブームを引き起こした、榛名由梨、

安奈淳のゴールデンコンビだったのにね)

一列に並んだ私たちは、思う存分

歓声をあげ、拍手して歌劇を楽しみ・・・



M子とは、今もなかよくしている。

でも、あの時いっしょに騒いだメンバーのうち

決まった高校が遠くなってしまったりして

それっきり会えなくなった人も何人かいる。



私の住む兵庫県の公立高校入試合格発表は明日。

今朝、私服でふらふら遊んでいる、

数人の男の子たちとすれちがって、

あの頃の自分たちを思い出した。

そうだよね、私がまちがっていた。

やっぱり、真剣に遊んでおかないとね。

四月は門出の季節だけど、別れの季節でもあるのよ。

まだ、気づいていないだろうけどね。



三月十八日  「ば」でした。

雨です。しっかり降ってます。

いいねえ、春の雨。

ただ、洗ったセーターが乾かない(毎日言ってますな)