【根本陸夫伝】 自らの後継者を作らなかった「一代限り」の男 | bathichのブログ

bathichのブログ

ブログの説明を入力します。

根本陸夫伝~証言で綴る「球界の革命児」の真実
連載第21回

証言者・浜田昭八(3)

「情報を分け合うな」「他と同じことを書くな」と若い記者に言いながら、スクープはさせない。そうかと思えば、誤報の”逆スクープ”記事を書くよう、ベテラン記者に申し入れる。自身の思い通りに事を運ぶため巧みに記者を使い分け、天才的なまでにマスコミを操作していた根本陸夫。その傍らにいた記者のひとり、浜田昭八は、時には自身も根本に操作されかけつつ、話を聞くほどに「面白い人物だ」と思うようになっていた。野球取材歴58年の浜田が、往時を振り返る。
西武を辞めた選手全員に家族証を送っていた

「西武球場と第二球場の間に、狭山スキー場という屋内スキー場があります。東京勤務の時は西武線沿線に住んでいたもので、休みの日はよく、家内と一緒に狭山スキー場に行っていました。それである日、ふたりしてスキーを担いで向かっていると、乗り換えの西所沢の駅で、たまたま根本さんとばったり会ったんです。そしたら、『おう、行くのか。よし、ちょっと待て』と言って、駅の中に入っていって、スキー場に電話してくれたんです。これから私らが行くことを伝えて、配慮するように、と。『そんなのしてもらわなくていいのに、あの人はすごかったね』って家内がときどき思い出して、いまだに感激しているんですよ」

 西武球場(現・西武ドーム)への行き帰り、西所沢駅が乗り換えの駅となる。西武池袋線、もしくは西武新宿線を利用した場合、西武球場前駅に直通する電車を除き、必ず西所沢駅で下車することになる。だから浜田は根本に出会った。
 
 その日、スーツ姿の根本は若いお付の者とふたり、西武球場前にある球団事務所から都内へ向かっていた。反対に浜田は、都内から狭山スキー場へ向かっていた。球団首脳である取締役管理部長が、車ではなく電車で移動していた事実に驚かされるが、それはさておき、一記者の余暇にまで気を配っていた根本の、神経の細やかさにはもっと驚かされる。
RS RMT
RedStone RMT
レッドストーン RMT