今週の『高校生のための社説集』(103号)です。
2012年最後の社説集です。
2012年最後の社説集です。
『高校生のための社説集』専用ページは
http://blog.livedoor.jp/nrbnrb-shasetsu/
にあります。
《総評》 今週はたいへん話題の多い週でした。いつも、40~50本の社説を候補として並べ、そこから最終的に15~16本に絞るわけですが、今週はよりどりみどりで、候補が70本に及びました。いくつかは次週への回し掲載を予定しています。
▲先週も新内閣の話題はありましたが、今回は、組閣を踏まえた内容です。今回の選挙前に長老たちが引退した中で、前回の選挙でも生き残った実力派を登用したという感じでしょうか。辛口の京都新聞でも「仕事ができそう」な点は認めています。
2.「アベノミクス」の効果は 物価と金利水準、注視必要/2012年12月26日 中部経済新聞
▲安倍氏の主張している経済政策は、物価が上がるのに給料が上がらないという、割合に可能性の高い最悪の事態に関して認識が甘い気がします。さらに、国債の金利が上がって価格が下がれば、少々税収が上がっても利払いに追いつかない上に、国債を保有する銀行の経営が悪化して金融危機、という悪夢が来ます。
3.原発ゼロ「見直し」 反省なき判断は危うい/2012/12/28 中国新聞
▲今の日本では原発は政治的マターなので、詳しい話は避けますが、誠実で責任ある対応というのなら、少なくとも、(1)福島原発の圧力容器・格納容器・配管等の損傷具合を確認した上で、新しい安全基準を作る、(2)最終処分地の問題に見通しをつける、(3)最終処分や事故賠償まで含めたコストを明示する、3点は不可欠ではないでしょうか。3.原発ゼロ「見直し」 反省なき判断は危うい/2012/12/28 中国新聞
4.新政権の社会保障 古い家族観で大丈夫か/2012年12月30日 沖縄タイムス
▲選挙で争点にもなりませんでしたが、重要な観点です。「子育ては親の役割」というのなら、収入のある年寄りに応分の負担をさせる方が、はるかに合理的。5.警察官の殺人 信用失墜行為の極みだ/2012/12/24 北海道新聞
▲地元の富山新聞(北國新聞と社説は同じ)が扱っていないので、北海道新聞を採りました。警察官でなくても、殺人はしてはいけません。それにしても、一度事情を聞いて逮捕に至っていないというのは、さぞかしおざなりな聴取だったのでしょう。「身内に甘い」の極みですね。6.新しい刑事司法 冤罪防止を最優先に/2012年12月25日 東京新聞
▲冤罪の問題に関して、たいへん熱心なのが東京新聞です。無辜の人の名誉・人権を蹂躙する冤罪に対し、もっと真剣に考えねばなりません。第4の権力のマスコミにとって最優先の仕事です。7.大津いじめ立件 現場の対応力を高めねば/2012/12/29 新潟日報
8.[400字] 食物アレルギー 社会で理解と対策推進を/2012年12月25日 高知新聞
▲食物アレルギーの増加が問題視されているうえ、死者が出たわけですから、たいへん大切なことですが、掲載紙はあまりありませんでした。9.[400字] 米「財政の崖」 政争に世界を巻き込むな/2012年12月28日 河北新報
▲こういう事態が刻々と変化する話題は、社説や社説集で扱いにくいのですが、アメリカの政争が世界経済に甚大な影響を与えるという状況は知っておく必要があります。10.「尖閣」の中国公文書 国際社会へもっと発信を/2012/12/29 北國新聞
▲面白い話題ですが、読売・産経さえ採り上げていません。尖閣問題については、アジア・環太平洋諸国で中国包囲網を作ることが大切ですが、その際に、今回の資料は重要です。11.「巨人の星」輸出 日印の交流を深めたい/2012年12月24日 毎日新聞
▲単に、文化コンテンツ輸出の話題といえばそれまでですが、記事中にも一部書いてあるように、日本企業の進出と関連が深いもののようですから、興味深いです。中国やミャンマーの件を考えると、インドとの関係を良好にすることは、日本の国益上、絶対に欠かせません。インド人はしたたかですし、市場は巨大、さらに中国との関係の悪さでは大先輩ですから、戦略的互恵関係にはうってつけの相手でしょう。12.文化財の防火 共有財産をどう守るか/2012/12/28 山陽新聞
▲伝統的なやり方を尊重することと、有効な保護策のバランスは本当に難しい問題です。国指定文化財でも所有者の負担は小さくないのに、それが県文化財レベルであれば、その苦労はさぞ大きいことでしょう。13.鳥取県の地下水保全条例 森林整備と一体的施策を/2012/12/28 山陰中央新報
▲環境保全の具体的事例に興味を持ってもらうことが目的です。2013年が「国際水協力年」であるという記事もあったように(98-15)、水はこれからの重要課題です。14.AEDの活用 設置登録し適切な管理を/2012/12/2 北國新聞
▲こういう身近で大切な問題を柔軟に採り上げられるのが、地方紙の強みです。15. 松井選手が引退 郷土に夢と希望をありがとう/2012/12/29 北國新聞
▲松井選手の引退は多くの新聞が採り上げました。神戸新聞などは彼のことをよく知らないにも親切なように、経歴をまとめてあってよかったのですが、地元の北國新聞をとりました。