集団的自衛権を確保しようとする日本の安倍政権の動きが尋常でない。
小野寺五典防衛相は先月28日、米国のヘーゲル国防長官と会い、北朝鮮の軍事的攻撃に備え同盟である米軍のためにも日本が敵の基地打撃能力を持たなければならないと主張した。
この論理の通りなら日本の領土が攻撃を受けなくても自衛隊の韓半島進出と北朝鮮に対する直接攻撃が可能になる。
共和党の大統領候補だったマケイン上院議員は小野寺発言の2日前の先月26日に日本の集団的自衛権行使を支持した。
米国が日本の再武装に寛大なのは現実的な理由がある。
オバマ大統領は中国を牽制するためアジア重視政策を目指しているが国防予算縮小で苦戦している。
そのため日本の力を借りなければならない境遇だが、これは日本が望むところだ。
3月の日本の環太平洋経済連携協定(TPP)参加宣言はこの機会に米国の確実な同調を引き出すために出した戦略的カードだ。
TPPはオバマ大統領が年内の締めくくりを目指す米国の核心課題であるためだ。
すでに日米を含むアジア・太平洋16カ国が経済通商次元で中国包囲作戦に入った。
日本の参加でTPPは世界の国内総生産(GDP)の38%、貿易量の28%を占める最大の自由貿易協定になる見通しだ。
問題は交渉対象に国有企業の不公正な地位と行為に対する規制、政府調達、知的財産権、労働と環境保護などが含まれている点だ。
中国としては社会主義市場経済体制と相反し簡単に受け入れ難い条項だ。
政治的な伏線が背景にあるのだ。
TPPで包囲された中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)主導の下16カ国が参加している東アジア地域包括的経済連携(RCEP)で対抗している。
安倍首相のTPP参加宣言が出された2カ月後の5月には米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が量的緩和縮小計画に言及した。
金融システムが弱いアジアの新興国経済は流動性危機の可能性だけでも揺れ動いた。
このタイミングを逃さず安倍首相はアジア各国を駆け巡っている。
中国に対する過度な経済依存度を低くしなければならないアジア各国をなだめるのは簡単なことだ。
結果的に中国を牽制するための日米の絶妙な共助がなされた。
「烏飛梨落」(偶然のできごとであらぬ嫌疑をかけられる)といえるだろうか。
英国のエコノミスト最新号は、「世界化反対論者らは自国の標準を世界に強要しようとする米国の陰謀を看破している」と指摘した。
フィナンシャルタイムズも5月22日付で「中国だけ排除したクラブを作るのは容易でない」という見出しの記事を配信した。
この新聞は「ベトナムも中国と同じように巨大な国有企業で運営される計画経済で、規制が不透明で知的財産権を無視しているのにどうして中国だけ排除が可能なのか」と問題を提起した。
明らかなことは日本の集団的自衛権行使の下絵が米国の了解の下で描かれているという事実だ。
ソウルの日本の外交官は私に「日本と同盟である在韓米軍を有事の際に支援しなければむしろ利己的ではないか」と反問した。
日本はこのように集団的自衛権発動の名分と条件を緻密に整えている。
中国と日本は経済と政治・安保ですべて対立関係になった。
したがって韓日中関係は経済的には依存しながらも政治・安保的には対立するアジア・パラドックスだけでは説明しにくい段階に差し掛かった。
米国に問いたい。
もしや日本との蜜月に酔い1941年12月にあった真珠湾攻撃という厳然とした歴史的事実まで忘れたのではないかと。
事実軍国主義の好戦性のために日本が米国を相手に戦争を行うと予想したのは韓国の独立活動家李承晩(イ・スンマン)だった。
『大地』の作家パール・バックは李承晩が真珠湾攻撃5カ月前に英語で出版した著書『私の日本観(Japan Inside Out)』の書評で「恐ろしい本」だと書いた。
李承晩はルーズベルト大統領夫妻と国務長官に本を送ったが警告はついに無視された。
米国は1905年にフィリピンを支配する代わりに朝鮮を日本に譲り渡す桂タフト密約を結ぶことにより1882年に締結した米朝修好条約を破棄した。
李承晩は72年前の著書で米国が日本の韓国侵略をほう助したことが第2次世界大戦の原因になったと主張した。
日本の再武装化への懸念が表面化したいま、米国は韓国と中国から出る不満を傾聴する必要がある。
本音のわからない日本に羽根をつけて韓国を不安にし、中国を仲間はずれにすることが自らの利益に合致するのか冷静に考えなくてはならない。
オバマ大統領はルーズベルト大統領の愚を繰り返さないことを望む。
2013年09月04日
[朝鮮中央日報]
