
国際運輸労連(ITF)はロシア極東およびアジア太平洋地域で便宜置籍船への対策を目的とする検査を行った。
これは便宜置籍船において社会的保障なく低賃金で働かされている船員の権利を守るためのものだ。
パナマやリベリア、マルタ船籍の便宜置籍船は第二次世界大戦以降数が増加している。
これは船主が税金および港湾使用料を抑えるためにとっているものだが、そのほかにも船主は様々な優遇を受けている。
便宜置籍船で勤務する船員たちはたびたび権利を侵されている。
というのも、便宜置籍船においては最低限の社会的保障さえも要求されないからだ。
船主にとってはこれが大きな魅力となっている。
一方の船員にとっては便宜置籍船における勤務は大きなリスクを伴う。
ITFが行った検査によって、ロシア、日本、韓国、香港、シンガポール、台湾などに寄港する百隻以上の船が調べられ、便宜置籍船における給与はITFの要求よりもかなり低く、団体契約もないことは分かった。
カンボジア船籍のある船などは、船員一人当たりの保険がたった500ドルだった。
またまったく保険がかけられていない船もあった。
船主らに対しては、処遇改善要求の書簡が送られる。
もしもの際に苦しむのは船主ではなく、船員自身であるからだ。
例えば今年、数人のロシア船員が事件に巻き込まれた。
そのうちのひとつはフィリピンで発生したが、ツバル船籍船の船主が破産し、遠い異国に残されたロシア人船員らは生活費にさえ事欠くような状況を強いられたのだ。
船は停電し、飲料水および食料が尽きた。
数ヶ月にわたる給料も支払われず、ロシア政府が介入してやっと、10名のロシア人船員および1名のウクライナ人船員が本国に帰ることができた。
しかしもう一隻のツバル船籍船を巡る状況は未だに解決されていない。
その乗組員は2月の入渠以降、中国の湛江に取り残されている。
中国側は修理費が未納であることから、船の出港を認めていない。
便宜置籍船は社会的保障が不十分なだけでなく、安全対策も不十分である、とロシア国際法連盟のオレグ・フリストフ副総裁は指摘している。
各国ごとに船の登録規則があります。
登録の際に、船が必要な要件を満たしているかが検査されますが、船主は支出を抑えるため、必要要件をかいくぐろうとします。
それゆえにパナマやリベリアなど、金さえ払えば検査が免除される国で登録するのです。
ITFの統計資料によれば、便宜置籍船は事故を起こしやすいとされている。
また国際的安全性に関わる問題もある。
武器密輸や大量の資金の秘密輸送、海賊行為、禁制品の売買などが、便宜置籍船によるコントロールの緩みのなかで横行する危険性がある。
2013/07/08
[The Voice of Russia]