

太平洋戦争の沖縄戦で亡くなった日本兵の遺品の日章旗が米国で見つかり、6日、遺族の手に返された。
「いつか家族に返したい」と旗を持ち帰った米兵の思いに応えた米国在住の日本人女性や警視庁の警察官の尽力で遺族が見つかり、「68年ぶりの帰還」が実現した。
日章旗の持ち主だったのは警視庁千住署の巡査だった星藤二さん。
1945年6月に28歳で沖縄で戦死し、遺骨も見つかっていない。
日章旗は米陸軍工兵として沖縄戦に従軍したハーバート・インガルス・マクドゥガルさん(87)が戦時中、首里城近くの洞窟で見つけ「戦火で焼ければ家族に渡せなくなる」と米国に持ち帰った。
返せないまま自宅にしまい込んでいたが体を壊し、今年3月、施設に入る前に孫娘(24)に「持ち主を見つけてほしい」と託した。
孫娘は日本領事館などに尋ねたが手掛かりはなく、米大学の日本語教師鈴木亜希さん(39)に相談。
旗は出征する星さんに当時の署長や署員が寄せ書きして贈ったもので、鈴木さんは「千住署」の文字を頼りに米国から同署に連絡した。
応対した千住署の小暮展也警部補(55)は、署に資料が全くない状況から「何とかしたいの一念」で、警視庁の古い人事記録をたどり、一人息子の忠孝さん(71)を見つけ出した。
千住署で一時帰国した鈴木さんから日章旗を手渡された忠孝さんは「父が戦死したときは3歳で抱っこされたおぼろげな記憶しかない。写真も数枚しかなく、父の痕跡が見つかったことに感激という言葉しか出ない」と感無量の様子。
「父の『帰りたい』という思いと関わってくれた方々の真心が奇跡につながった」と、言葉を詰まらせた。
2013/07/06
[時事通信]