
中華街の一角に、ラーメン専門店が開店し、行列ができるほどの盛況だ。
“ラーメン砂漠”といわれるワシントンで、おいしい日本風ラーメンにありつくのは至難の業だった。
さっそく訪れてみた。
メニューは塩、しょうゆ、みその3種類。
生ビールと焼きギョーザ、塩を注文した。
ラーメン店でおいしいラーメンを味わうという、日本では当たり前のことに心の底から感動し、小さな幸せに浸っていたまさにその時だ。
驚く光景を目の当たりにした。
近くの客が伸びきったラーメンをプラスチック製容器に詰めて持ち帰ったのだ。
米国で食べ残しの持ち帰りは当たり前だが、このときばかりは「禁じ手」という言葉が頭をかすめた。
すしをしょうゆにジャブジャブつけて食べる光景は見慣れていたが、伸びたラーメンの持ち帰りという荒業には驚いた。
店も米国人の味覚と習性に合わせ、持ち帰り容器を備えているから感心だ。
店員に聞くと「持ち帰りたがるお客さんはたくさんいる」そうだ。
日本人店長はいう。
「そりゃ、熱いうちに食べてほしいですよ」
日本人の好む食べ方を押しつけてはいけないが、おいしいラーメンも味わってほしい。
この間合いが難しいのだとか。
常連客には連邦最高裁判事もいる。
彼女も持ち帰るのだろうか。
2013/07/04
[サンケイデジタル]